2014年7月31日木曜日

20140730:緩んだ口元。


またもハスの登場です。
前回ハスを撮ったときに、先生から、
「あと2〜3日で咲くだろう」と言われて、
ずっと楽しみに待っているのです。
今日、少し唇が緩んだような顔をしていて、
その色っぽさについ、カメラを向けずにいられませんでした。

おとついのソウメンカボチャに、甥はほとんど食い付きませんでした。
今日はまた先生から、「じゃ、リベンジ」と言ってもらってきました。
今回はあんまりゆがかないようにしようと思います。

明日でテストが終わるぞー!

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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花となっている。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになった。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われる。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。
茎には通気のための穴が通っている。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含む。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にもなる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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She says baby everything is alright, uptight, out of sight.
Babe, everything is aright, uptight, clean out of sight.
She says no one is better than I, I know I'm just an average guy,
No football hero or smooth Don Juan,
Got empty pockets, you see I'm a poorman's son.
She says give her the things that money can buy
But I'll never, never make my baby cry,
And it's all right, what I can't do,
Out of sight because my heart is true,
She says baby everything is alright, uptight, out of sight.
Babe, everything is aright, uptight, clean out of sight.
——Stevie Wonder "Up Tight"

2014年7月29日火曜日

20140729:フジマメ


昨日までハトコたちといっしょに週末から月曜にかけて
吉和でキャンプをしていた甥が帰ってきました。
甥は、うちの家系なのか、どうも出不精。
遊んでいるときにはワァーキャーと騒いでいても、
家に戻るとものすごくテンションが低くなる。
本当は、引き続き親戚の家でお泊まりする予定だったのが、
お疲れがピークに達したのでしょう、
とにかく、突然に帰ってくることになったのです。
…となると、いきなり頭を悩ますのが「今日のごはんは何にしよう」。
悩んでいるときに目に飛び込んできたのがこの紫の豆でした。

甥がいるときにごはんを作るときのポイント。
色が鮮やか。口あたりが馴染みやすい。できれば味はシンプルに。
こんな紫のキレイなものがお皿に並んだら、
ちょっとびっくりするだろうし、気をひくだろうし、
食べはしないかもしれないけど話のネタになるよなぁと思ったのでした。
名前はフジマメ。


先生によると、昔は食べるところもあった、とのことで、
どうやら食べられないわけでもないらしい。
ま、でも今回は諦めて、写真だけにいたしました。
その代わりに、先生がソウメンカボチャをくれました。
今、薬草園で実がゴロゴロと転がっています。

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フジマメ(学名:Lablab purpureus)
マメ科フジマメ属
熱帯、亜熱帯の地域で、食用や家畜の餌として栽培される。
若い莢を天ぷらや和え物、汁の実にして食べる。
種子は熟したもの、若いもの、双方食べられる。
(参考:Wikipedia
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ボクが随分素早く汽車から降りたタメ雲を焦がしたくらいさ
梶井基次郎の檸檬の中に出てくるような街の中は
埃っぽい匂いが立ちこめる通り雨の後で
また鳴きだした蝉の声響く路地は駒絵と化したかのよう
遠くから聞こえる祭囃子 背筋を伸ばした向日葵
横をすり抜ける少年の 飛び越す水溜りを跨いでから
ちょうどそこの過度を曲がる 僕の視界に飛び込むのは
どこか大人びた君と モコモコと ソフトクリームのような入道雲
——かせきさいだぁ "じゃっ夏なんで"

2014年7月28日月曜日

20140728:ハス


薬草園のプレハブのすぐ近く、
ゴチャゴチャと道具やなんやらが置かれてある辺りを無視して、
見通してみると、すっと立つハスの蕾。
ハスの大きな緑の葉に囲まれて、
1本だけがハッとするような芸術的なピンクで、
思わずほぅっとため息がこぼれました。

テスト、テストの日々が始まりました。
席に座って始まりを待っていると、あちこちから話が聞こえます。
「あのテストは不公平だ。情報がなさすぎる」
「あれってさ、結局なんだったの」
一度目に大学生だったとき、私もほとんど授業に出ていませんでした。
今は当時を知る友人らに驚かれるくらいの皆勤賞。
全部出た、ということが誇らしくもあるけど、
私はあちこちからの話と真逆で、テストを受けることで、
先生が本当に伝えたかったことがわかっておもしろかった。
どんな話も、もしかしたらわかりにくくてつまらないこともあるけど、
それでも通底する流れがすっと立って、深くわかって、花が咲く。
そのことがやっとわかる年齢になって、
すぐにできてしまうことは、おもしろくなくなってしまいました。
でもやはりそれは、ちょっと孤高すぎるのでしょうか。

今はまだ、1年生の前期。
はー、私はいつまで続けられるのだろう。


これは、栄養学科の1年生が育てているスイカ。
やっと実がなったと思ったら、直径がほんの4cmほどの。
小さくてかわいい。
でもまだまだ。
もうひとつ、ちゃんとなるかな。

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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花となっている。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになった。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われる。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。
茎には通気のための穴が通っている。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含む。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にもなる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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スイカ(学名:Citrullus lanatus)
ウリ科スイカ属
果実は園芸分野では果菜(野菜)とされるが、
青果市場での取り扱いや栄養学上の分類では果物と分類されている。
薬用部分は果実、果皮、種子。
生薬名はそれぞれ「西瓜(せいか/果実」「西瓜皮(果皮)」「西瓜仁(種子)」。
果実に果糖、ブドウ糖、種子にククルビトールなどを含む。
西瓜は急・慢性腎炎、小便不利、水腫などに役立ち、
果実をとろ火で煮詰めた西瓜糖を服用する。
(参考:Wikipedia/原色薬草図鑑 II』p.110
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Say my name
Sun shines
through the rain
A whole life so lonely
And then come and
ease the pain
I don’t want to
lose this feeling
——Bangles "Eternal Flame"

2014年7月25日金曜日

20140725:好敵手、現る。


ナツメとは、「夏芽」なんだそうです。
葉っぱの形状はどちらもほとんど同じ感じ。
光沢のある緑の濃い葉は、あんまり好みではないのですが、
ナツメとサネブトナツメは、薄くて柔らかくて、色もちょっと淡め。
どことなく素朴だけど、むしろそれが洗練されてみえる感じ。

この隣の隣の段にあるのがサネブトナツメ。
ナツメのほうがいいなと思うのは、実が大きいからピントが合わせやすいから。
つまり、見るポイントも、楽しむポイントもわかりやすい気がするのです。

これがサネブトナツメ。
果肉が薄くて酸味もあるそう。
それに、こっちのほうがトゲが多い。
そういう、ちょうっとスネた感じもいいです。

さて今日は、先生が出張だったので水まきを代わりにやりました。
昨日の夕方に、水まきするエリアと水まきの注意点を教えてもらって、
今日やるときには、いつもの先生のフォームを思い浮かべながら
できるだけ忠実にやりました。
気分としては、レストランのアルバイトで
キャッシャーの仕事を教えてもらった気分。
私はいつもこういう「仕事のレベル」を
ドラクエやらファイナルファンタジーでのレベルアップに例えるのですが、
同じく例えてみるなら、レベル3で、ホイミかケアルでも覚えた感じです。
とにかく、丁寧に水をやってみると、
たいへんだけど、たくさんの新しいものが見えてきます。

水まきが終わってからもふらふらしていたら、
自動撒水器が回り始めてずぶぬれになってしまいました。
あ〜れ〜。

役に立つ、という点で好敵手です。

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ナツメ(学名:Ziziphus jujuba var. inermis)
クロウメモドキ科ナツメ属
薬用には種子を使う。種子を日干しにしたものは生薬名を大棗(タイソウ)といい、
または、暗褐色なので黒棗(コクソウ)ともいう。
夜露に当てて翌日日干しにしたものは、赤いので紅棗(コウソウ)。
緩和、強壮、利尿、鎮痙、鎮静などに応用される。
とくに、緊張による痛みや急迫症状、知覚過敏などの症状を緩和して、
他の薬物の作用を穏やかにするため、他の生薬と配合した漢方薬が多い。
(参考:イー薬草ドットコム
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サネブトナツメ(学名:Ziziphus vulgaris Mill. var. spinosus Hu)
クロウメモドキ科ナツメ属
薬用で使うのは種子。生薬名は酸棗仁(サンソウニン)
虚弱体質の改善を目的とした酸棗仁湯や温胆湯などの漢方処方に配剤される。
酸棗仁(サンソウニン)とは、果実は酸味があることから「酸味のある棗(ナツメ)」という
意味でつけられているが、薬用に用いる種子には酸味はない。
(参考:公益社団法人日本薬学会
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Everyone I see just wants to walk with gritted teeth
But I just stand by and I wait my time
They say you gotta tow the line, they want the water not the wine
But when I see the signs I jump on that lightning bolt

Chances, people tell you not to take chances
When they tell you that there aren't any answers
And I was starting to agree
But I awoke suddenly in the path of a lightning bolt
——Jake Bugg "Lightning Bolt"

2014年7月24日木曜日

20140724:ギンブロウ


今朝、甥に水について説明しました。
水がどうして沸騰するのか、水の平衡状態についてとか。
自分がちゃんとわかっているかどうか確認するのに
ときどき甥を利用させてもらっています。
甥は今、小学2年生。
多少のことは理解してくれるけど、
専門用語なんか、当たり前にわかりません。
水のことを絵に書いて物語を考えるみたいに説明しながら、
ついつい、別のことに頭が向かっていきます。
カタチは物理やら化学で説明できるんだろうな、
もっとようわかったら説明できたらかっこいいやろな。
そういえば、昨日は甥が、蚊の雄と雌について、とか、
季節ごとの蚊の違いについてしっかり教えてくれました。
お返しに、蚊は吐いた息に寄ってくることを教えてあげました。

私がいつぞやに蒔いたギンブロウは、順調に育っています。
ただ、最近は暑すぎて、どうも弱ってきているようにも見えないことはないですが。
ちょうど先週には、ツルを巻くための「柱」も立ちましたよ。
ツルは、どうして何かにしがみつきながら伸びていくんでしょう。

これ↑は先週の写真。
今は、これより大きくなっています。

これ↑は今日。
ツルが伸びてきています。

昨日のわからない花について、名前を教えてもらったけど、
早くも忘れてしまいました。

先生が言っていた名前とはかなり違うし、
どうもどんな写真を見ても一致しないんだけど、
カワミドリに近いのかなー。
また聞いてみます。

テストが始まりました。
レポートもいっぱいあります。
今日は水まきだけと侮っていたら、
蚊に大量に刺されてしまった。
ゲンナリです。

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ギンブロウ(学名:Phaseolus vulgaris)
マメ科
特に品種としての固有名はなく、一般にギンブロウと呼ばれ、
それぞれの家単位で個別に採種されている。
特定の地域で隔離栽培に近い状態で長年にわたって栽培採種されているため、
品質的には純粋な品種といってよいと考えられる。
(参考:「地方品種をめぐる2」西悦子著)※PDF
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解決じゃなくて忘れさすだけで
事実は消えずに鎖になって巻き付く
今日の記憶だけ返すわ
教えて、記憶はどこへ消えた
暗くなる世界にひとり取り残された
はじけた音の粒が鼓膜に貼り付いて
私の記憶をしらっとしてかき混ぜる
——daoko "UTUTU"

2014年7月23日水曜日

20140723:わからない。


短絡的に、ウツボグサのはずだと信じていたけど、
ちゃんと見ると全然違っていました。
これは一体、なんだろう。
シソ科を中心に探してみたけど、結局、今日はわからずじまいです。

ハブソウがキレイに咲いてました。
ヨロイグサは、すっかり元のヨロイを脱いで普通のセリ科になってました。
なぜか今、年賀状の返事を書いていないことを思い出しました。

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ハブソウ(Senna occidentalis)
マメ科カワラケツメイ属
原産地は、アメリカ合衆国何部から熱帯アメリカ。
日本には江戸時代に中国から渡来。
毒虫や毒蛇、とくにハブに咬まれたときの民間薬として導入された。
葉はエビスグサに似ているが、小葉の先端が尖っていて、
数も5〜6枚あるので見分けはつきやすい。
果実の平たい鞘も、エビスグサより太く短い。
鞘の中には、扁平卵形の種子が2列に並んで入っている。
種子を採種して日干しにして乾燥させたものを生薬「望江南」と呼ぶ。
有効成分としてアントラキノン、エモジン、アンスロン、ヒスチオンなどを含み、
健胃や緩下、利尿には、適量の水で煎じて、お茶のように飲む。
虫さされのときには、生の葉を揉んで出た汁を患部に塗布する。
また、葉も煎じてお茶がわりに飲む。
(参考:Wikipediaイー草ドットコム

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この小さい町にも奇跡はありえる
かなえたい夢など、果たしてあったっけ?
また会いたい人たち、また見たいあの場面
戻りたい場所など、果たしてあったっけ?
——坂本慎太郎"まともがわからない"

2014年7月22日火曜日

20140722:オリーブ


昨日から、甥が高知から夏休みを過ごしにやってきました。
とは言っても、ほとんどは母方の親戚のところでお世話になるので、
私はときどきごはんを作るのみ、なんですが。
今日は親戚のおうちで双子姉妹と対決をしたらしく、
疲れてかなりテンションが低い甥を引き連れてきましたよ。

いっしょに回っていると、喜ばしたろ、とサービス精神がムクムク沸いて、
ついついいつもと違うものに目がいきます。
ソウメンカボチャやブルーベリーを眺めたのち、トマト、オリーブ、
実はもうないけど、桃、ナス。
そして、実がてんこ盛り気味のイチジク。
ま、疲れ&蚊との格闘により、
残念ながら、甥のテンションは下がる一方でございましたが。

この顔は、早くゲームをしたい顔ですね。はいはい。

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オリーブ(Olea europaea)
モクセイ科オリーブ属
地中海地方原産。葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことから
スペインやイタリアなどの地中海地域で広く栽培されている。
多くの品種では自家受粉できない。DNAが同一の花粉には反応せず、
実をつけないことが多いため、オリーブは2本以上隣接して植えたほうがいいとされる。
薬用部分は果実。熟した果実を採取し、絞ってオリブ油(日本薬局方)を得る。
オレイン酸のグリセリドなどを含む。
注射薬浴剤、軟膏基剤、皮膚塗布用、浣腸用、擦剤原料、
化粧用として香油、頭髪油、石けん原料などに用いられる。
未熟の果実を採取して食用にも。また、オリーブ油は食用油として用いる。
(参考:Wikipedia『原色薬草図鑑コンパクト版14(北隆館)』p.31

2014年7月18日金曜日

20140718:ヨロイグサ

「これおもしろいよ」とか「これはこうでこうで」と
おもしろい話とともに誘導してくれる人が近くにいないと、
どうしても「名前」を知っている植物ばかりに目がいきます。
それでも、最近は頭の中にぐんとインプットされたので、
タヌキマメやヨロイグサのようなかわったものに夢中になっています。
でも、ヨロイグサは今日はすっかり花が伸びてしまって、
さすがにセリ科らしくなってしまっていたのでした。
上の写真は14日に撮影したもの。

その翌日にはこうなっていて、


18日の今日はこう。

辛うじて、花の周囲にあるツボミらしきものがあるから
「ヨロイグサや」と親近感を持つことができるわけですが、
花ばかりになってしまった姿だけを見ても、
単に「あ、セリ科はやっぱりいっしょの花やな」と感心するだけで
きっと関心を持たないでしょう。

そういえば、同級生に関しても同じで、
名前を知らない人については、ほとんどみんな同じに見えてしまう。
よく見ればキレイな女の子やかっこいい男の子もいるけど、
空気を読んで難なくいるだけなのには
どうも全く興味をひかれなくなってしまいました。
そういう自分の趣向の変化はおもしろくもあるけど、
同時に、どこかつまらなくもあります。

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ヨロイグサ(Angelica dahurica(Fisch.) Benth.et Hook. f.)
セリ科シシウド属
茎は太く中空で、上部で枝分かれする。葉は羽状複葉。
抽台すると鎧のような姿になり、花が咲いたら枯れていく。
薬用部分は根で、生薬名は白芷(びゃくし)。
ビャクアンゲリコールなどの成分を含み、
解熱、鎮痛、解毒、排膿作用がある。
一般用漢方製剤294処方のうち、五積散、清上防風湯など15処方に配合されている。
(参考:Wikipedia武田薬品工業株式会社京都薬草植物園

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We on a mission. Dust the stars. Light through dark.
Blue. Gold. Shine. Fly. 
Seated at the opposite so you can see there is no time.
Breath slow. Be low.
Capacity is unfulfilled take the (take the) lead you will.
Head raised. Un-caged.
More to do there's more for you.
——SBTRKT "Pharaohs"

2014年7月17日木曜日

20140717:ヘクソカズラよりはじめて。


ヘクソカズラ。
枝や葉を揉むと屁みたいなニオイがするからヘクソカズラ。
エライコッチャな名前ですが、花自体はとてもかわいい。
昆虫たちもあんましこの匂いは好きじゃないらしい。
学名でも使われている「paederia」は語源が「paidor=悪臭」。
生き物がみんな共通で好まない、というのも不思議なもんです。
逆に、誰も食べないから、ということで
特異的に寄ってくるアブラムシもいるそうで。
その名も「ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ」といって、
ヘクソカズラの悪臭成分を体内にため込んで、
むしろ天敵から食べられるのを防いでいるんだとか。
蓼喰ふ虫も好き好き。「臭い」の見方もそれぞれです。
そういえば、今日の政治学の講義では、
そういう虫たちとニアリーな話でしたな。

ヘクソカズラのニオイでおもしろくまとめたサイトがありました。
サイトの主は、どうやらヘクソカズラのニオイを
臭いと感じなかったことから、確認作業が始まったらしい。
ニオイのかぎ方、各図鑑はヘクソカズラのニオイをどうまとめているか、
他の人はこのニオイを実際にどう感じているか、など。
薬草マイスター講座でも、みんなでニオイを確認してみたけど、
そこでも「臭い」と感じた人、感じなかった人とがありました。
私も臭いと思ったことはありません。
サイトでは、結論として、
「臭いの感受性に関して、甚だしい個人差が存在する」
とまとめてありました。(→木のメモ帳「ヘクソカズラ」
かはらふぢに
延(は)ひおほとれる
屎葛(くそかずら)
絶ゆることなく
宮仕へせむ
——『万葉集』高宮王
万葉集でもエライ言われようです。


待ち望んでいたタヌキマメの花が咲いていました。

このツボミが一気に開く、ということはないのかな。
でも、かわいい。


これは、火曜日に「調べてみなさい」と言われた花ですが、
調べても調べてもわかりません。一体何でしょう?


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ヘクソカズラ(Paederia scandens)
アカネ科ヘクソカズラ属
蔓生の茎は左巻きで他の植物に絡み付きながら繁茂する。
葉は茎に対生し、形は楕円形で尖り、基部は心臓形。
ヘクソズラの悪臭の元凶はメルカプタンという揮発性のガス。
茎や葉が傷つけられたりして細胞が傷つくと、
細胞中に含まれるペデロシドという硫黄化合物が分解してメルカプタンを生じ、
独特のニオイをまき散らす。ちなみに、ペデロシドは昆虫が嫌う成分として機能し、
そのため、葉を食べたり茎の汁を吸う虫もなかなか寄り付かない。
薬用部分は果実と全草と根。
果実は生薬名で鶏屎藤果(けいしとうか)といい、熟したものの生汁をそのまま利用。
抗菌作用があり、あかぎれやしもやけに高価がある他、
皮膚に潤いを与える作用もあるので、化粧水としても使える。
全草と根は生薬名で鶏屎藤(けいしとう)、煎じて利用することが多い。
根は下痢止め、脚気、腎臓病に、全草は風邪、婦人病に効果がある。
(参考:イー薬草ドットコム/『原色薬草図鑑コンパクト版14(北隆館)』p.100)
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タヌキマメ(Crotalaria sessiliflora L.)
マメ科タヌキマメ属
萼が褐色の長毛に覆われている様子をタヌキに見立てて名づけられたと言われる。
薬用部分は全草。アルカロイドを含有し、抗腫瘍作用(悪性を含む)と抗炎症作用はあるが、
有毒なので注意が必要。主な副作用は、心機能障害や停止、肝障害、発ガンなど。
民間療法では、利尿剤、強心剤、鎮痛剤として使用される。
アレロパシーを含み、コンパニオンプランツとして畑作の際に、
作物の間に植えられ利用されることもある。
(参考:Wikipedia/『原色薬草図鑑コンパクト版13(北隆館)』p.142)
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You float like a feather
In a beautiful world
I wish I was special
You're so fucking special
But I'm a creep
I'm a weirdo
What the hell am I doing here?
I don't belong here
I don't care if it hurts
I want to have control
I want a perfect body
I want a perfect soul
——Radiohead "Creep"

2014年7月16日水曜日

20170716:オニユリ


オニユリがおとついくらいから花開いています。
近寄ってみると、雨の中、アリがせっせと作業中でした。


オニユリが咲いたのを見ると、
みなさん、花よりも「ムカゴもいいなー」と呟くのがおもしろい。
ちなみに、以前、シャクヤクのところでも書いた
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という
古からの美人のたとえにもユリは登場します。
これらは全て婦人病の薬草。
姿形を模しただけじゃなく、
これらを薬草として用いると美人になるという意味もあるとか。

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オニユリ(Lilium lancifolium)
ユリ科ユリ属
花びらに黒い斑点が目立つ。花の色や形から赤鬼を連想させ、「鬼百合」に。
ムカゴは、茎や葉の付け根などにできる、養分をためた小さなかたまりのこと。
薬用部分は鱗茎で、生薬で「百合(ひゃくごう)」という。
有効成分は、多量のデンプン、タンパク質、脂肪、ビタミンCなど。
鎮咳、鎮静、滋養、強壮、解熱、利尿薬として用いる。
(参考:Wikipedia季節の花300/『広島県の薬草(中国新聞社/神田博史著)』p.52)

2014年7月15日火曜日

20140715:対称性。


草引きをしながら、いつものごとく考え事をしていました。
今日のお題は「対称性と美しさの関係について」。
昼休みにCSI(米/科学捜査班の話)を見ていたら、こんな話がありました。
生物は異性に対称性を求める。
シリアゲムシのオスは、羽が左右対称なほどメスにモテる。
昆虫の世界では「美=バランス」。
それで子孫が残せるかどうかが決まるんだ。
(グリッソムの台詞)
以前、対称性については本か何かで読んだか見たかしたことがあって、
そこには、左右対称な顔立ちの人は美しく見えるという画像実証がありました。
それを見ながら、
「美しい」と脳が判断する理由をごにょごにょと考えて、
対称っていうのは、健康とか健全の象徴なのかな、とか、
そんなことで私はなんとなく納得していたのでした。
確かにスポーツでは左右対称のほうが身体はスムーズに動けるし、
左右の柔軟性や筋肉のつきかたが違うのはケガにつながると言われます。
利き手ではないほうを使う必要がなくても、
使えるようになっている人のほうが、
ケガのリスクが少ないスムーズなパフォーマンスができるように思えます。

植物には、葉っぱが一節に対称につく対生と、
交互につく互生、それに、一節に輪を描くようにしてつく輪生があります。
これは、どういうことを意味するのでしょうか。
同じ場所に生えていても違うものは違う。
だから、光合成のしやすさ、という理由は短絡的でしょう。
私には、わかりません。
どうして対称なのが美しいと思えるのかにも、
ちゃんと答えは出せていませんし。

わからないなーと思いながら、目をあげると、
昨日のタヌキマメがそこにありました。
これは、葉は互生、というべきでしょうか。
ま、どっちでも、いっか。




今日、先生に確認してみました。
これは、ヒオウギ。
撮っているのは、花がしぼんだあとのひねり。
どうやら、右に巻くのも左に巻くのも、
キレイに巻けるのもキレイに巻けないのもあります。
なぜひねる必要があるんでしょうか。
“キッチュ”という言葉のニュアンスを正確には知りませんが、
このひねりの様子は“キッチュ”というべきではないでしょうか。

ちょこっとだけ夕立があって、エビスグサはご機嫌ナナメでした。

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タヌキマメ(Crotalaria sessiliflora L.)
マメ科タヌキマメ属
萼が褐色の長毛に覆われている様子をタヌキに見立てて名づけられたと言われる。
薬用部分は全草。アルカロイドを含有し、抗腫瘍作用(悪性を含む)と抗炎症作用はあるが、
有毒なので注意が必要。主な副作用は、心機能障害や停止、肝障害、発ガンなど。
民間療法では、利尿剤、強心剤、鎮痛剤として使用される。
アレロパシーを含み、コンパニオンプランツとして畑作の際に、
作物の間に植えられ利用されることもある。
(参考:Wikipedia/『原色薬草図鑑コンパクト版13(北隆館)』p.142)

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ヒオウギ(Iris domestica Goldblatt & Mabb.)
アヤメ科アヤメ属
花は午前中に咲き、夕方にはしぼむ。
京都では祇園祭に欠かせない花として愛好され、和歌でもよく詠み込まれている。
薬用部分は根茎。生薬名は射干(やかん)。
有効成分として、ベラムカンジン、イリジンなどを含む。
胃液分泌やぜん動を活発にする働きがあり、また去痰、消炎、利尿、風邪に。
射干麻黄湯は、ぜんそく性気管支炎、気管支ぜんそくなどの
発熱、悪寒、身体痛、頭痛、痰などの症状に用いる。
(参考:イー薬草ドットコム『原色薬草図鑑コンパクト版14(北隆館)』p.202

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エビスグサ(Senna obtusifolia)
マメ科カワラケツメイ属
中央アメリカ原産。
名前の由来には、「異国から日本に渡来したから」という説も。
小葉は先端が幅の広倒卵形。
果実は細長いさや果で弓状に曲がり、中には濃褐色で光沢のある、
やや長い六角形の種子が1列に並んでいる。
種子をしっかりと乾燥させたものを生薬「決明子」と呼ぶ。
便通を整えて目の周りの充血を取り、視界を明らかにする意味からつけられた。
有効成分はアントラキノン誘導体クリソファノール、オブツシフォリン、エモジンなどで、
これらは下剤として知られる。薬効は広範囲で、
便秘、慢性胃腸病、消化不良、胃拡張、胃下垂、胃酸過多、胃アトニー、口内炎、黄疸、
じんましん、腎臓病、腎盂炎、脚気、糖尿病、膀胱カタル、婦人病、神経痛、眼病など。
漢方では緩下、強壮薬として使用する。
(参考:Wikipedia季節の花300/『広島県の薬草(中国新聞社/神田博史著)』p.52)

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It may be crowded out here but I don't hear no sound but my own.
It may be pouring out here but every falling drop of sky is my own.
There ain't a thing in the world that 'll shoot my dorphins noI'm high on my throne.
Them harpies and turds wont have their way with me stoned on ozone.
——DELUXE "TO DOOP"

2014年7月14日月曜日

20140714:ホップよりはじめて。


実家の庭でホップを見つけたときには、そのあまりのかわいさに驚きました。
松ぼっくりみたいに、淡い緑色の花のようなもの(本当の花ではない)をつけて
ぶら下がっているのが、なんか、いいんです。
思わず牧野植物園で働く友だちに、
「これ、なんていうの?」と写真を送ったくらい。
ホップは薬草園にもありました。


これは、タヌキマメというそうです。
産毛をいっぱい生やしたツボミが、今にも開きそう。
明日かあさってには咲くでしょう。


これはヨロイグサ。
仰々しいけど、かわいい。


これは、先生に聞いたのに忘れてしまいました。
花が終わると、このようにカラダをひねります。
花はふつうにかわいい。
ひねったコレは、不細工なのもあって、いい。
私はいつも、作り上げて完成させてしまうクセがあるけど、
本当は、そこまで完成させてしまわないで、
突っ込みどころがあるまんまのほうがいいのになと思ってしまう。
そのほうが人には愛されるし、近づきやすいのかな。

今日はこのへんにしときましょう。
明日の課題を何にもやっていませんので。
写真もイマイチなので、いつか同じものを撮ってまいります。
データはそのときに、また。

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Sheeta, where is your crystal?
The pirates stole it, oh no.
Sheeta, where did your crystal go?
——Dillon "Hey Beau"

2014年7月13日日曜日

20140713:ハブソウとエビスグサ。


先生が市民講座として開いている「薬草マイスター講座」で
よく話に登場するもので、強く覚えているのは、
トウキ、ハブソウ、エビスグサ。
トウキは、ちぎってもらったものが家で根っこをつけた、
というのでより印象深いものになっています。
ハブソウとエビスグサを覚えたのは、葉っぱのあしらいが好きだから。
それに、ハブソウは、薬草園に生えていたのを
先生といっしょに薬草園の外にある畑に植え替えたから。
やっぱり、自分の手で触れたものはよく覚えているんですね。
この花はハブソウです。

ハブソウとエビスグサは、葉っぱがよく似ているとのこと。
(“とのこと”としたのは、私は「似ている」と思ったことがないから)
ハブソウのはとんがっていて、エビスグサのはえべっさんみたく、まあるい。
私は、スマートなハブソウのほうが好き。
まあるいエビスグサもかわいいんですが。
エビスグサの花期はまだ少し先。こちらも黄色の花をつけます。
ハブソウ


エビスグサ

ちなみに、エビス茶というのは、実はハブソウの種子で作られていて、
ハブ茶というのが反対に、エビスグサの種子で作られているそう。
ハブソウで作ったお茶が先に商品化されたんでしょう。
ハブ茶と名乗るより、エビス茶と名乗ったほうが、縁起がよさそうです。

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ハブソウ(Senna occidentalis)
マメ科カワラケツメイ属
原産地は、アメリカ合衆国何部から熱帯アメリカ。
日本には江戸時代に中国から渡来。
毒虫や毒蛇、とくにハブに咬まれたときの民間薬として導入された。
葉はエビスグサに似ているが、小葉の先端が尖っていて、
数も5〜6枚あるので見分けはつきやすい。
果実の平たい鞘も、エビスグサより太く短い。
鞘の中には、扁平卵形の種子が2列に並んで入っている。
種子を採種して日干しにして乾燥させたものを生薬「望江南」と呼ぶ。
有効成分としてアントラキノン、エモジン、アンスロン、ヒスチオンなどを含み、
健胃や緩下、利尿には、適量の水で煎じて、お茶のように飲む。
虫さされのときには、生の葉を揉んで出た汁を患部に塗布する。
また、葉も煎じてお茶がわりに飲む。
(参考:Wikipediaイー草ドットコム

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エビスグサ(Senna obtusifolia)
マメ科カワラケツメイ属
中央アメリカ原産。
名前の由来には、「異国から日本に渡来したから」という説も。
小葉は先端が幅の広倒卵形。
果実は細長いさや果で弓状に曲がり、中には濃褐色で光沢のある、
やや長い六角形の種子が1列に並んでいる。
種子をしっかりと乾燥させたものを生薬「決明子」と呼ぶ。
有効成分はアントラキノン誘導体クリソファノール、オブツシフォリン、エモジンなどで、
これらは下剤として知られる。薬効は広範囲で、
便秘、慢性胃腸病、消化不良、胃拡張、胃下垂、胃酸過多、胃アトニー、口内炎、黄疸、
じんましん、腎臓病、腎盂炎、脚気、糖尿病、膀胱カタル、婦人病、神経痛、眼病など。
漢方では緩下、強壮薬として使用する。
(参考:Wikipedia季節の花300


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追記

まがいなりにもクリエイティブの世界の隅っこに座り、
そこで働いているうちにカタチや色の意味や、
そのことが誰かの行動に影響を及ぼすということのおもしろさに気づきました。
たとえば、メーカーカタログ(通称プロ用カタログ)は、
掲載点数が膨大な分、使いやすさが重視されるわけですが、
使いやすさを追求していくうちに、情報やデザインが削ぎ落とされていく。
味気のないところまで削って、そこから、各社の戦略プランに合わせてしかけを加えていく。
すると、なかなかステキなカタログができることが多いように思います。

そんなことを身を持って学びながら、植物をふと見たときに、
カタチや色がいろいろあることに気がつきました。
そのどれもが戦略的で、たぶん、あんまり無駄がないんだなと、すごいなーと、思いました。
ハブソウとエビスグサの小さな違いは、彼らにとってはとても大きな違いでしょう。
きっと、そのカタチのせいで生き方が違う。あるいは、生き方が違うからカタチが違う。
生き方とは、受粉の戦略や根の張り方、葉の張り方などなど。
もっと言えば、それは、化学的成分や性質の違いにまで話は及ぶのでしょう。
「どうしてこんなふうな枝分かれなんだろう」
「どうしてこんな色なんだろう」と思うとワクワクします。
たくさんありすぎて、全くもって何も整理はできていません。

2014年7月11日金曜日

20140711:毎日は新しい。

印刷会社で働いていた頃、ある日、本当に突然に、
娘のようにかわいがってもらっていた上司から
「おさと(私)、毎日は新しいんやで」と言われたことがありました。
その上司は、いつも突然に、何か含んだような言葉を発し、
それが意味深で、占いの結果みたく何かを暗示しているようで、
「あ、今の言葉は私にぴったりかも」と根拠もないのに深くうなずかされてしまう。
「毎日は新しい」といきなり言われても心当たりは何もないはずなのに
台風で雲が一気に吹き飛ばされたような、
開き直りと爽快感がいい具合にブレンドされたような、
そんな、妙に新しい風を吹かせたのでした。
そのとき感じた気分は、今でも首を直角に上げて空を見ると思い出すのです。

雲はたくさんかかっていたけど、今日の天気は概ね晴れ。
「そうか、いっつもおんなじもんは、ないんやな」と空を見上げます。
そろそろ期末のテストとレポート三昧の日々がやってきます。
あ、今日はひとつレポート出しましたよ。
ツリガネニンジンにたくさんのツボミがついていました。
「キキョウやのに“ニンジン”て、変わってるやろ」
と先生はほくそ笑みながら言いました。
ここで“ニンジン”の意味するところは、野菜ではなく薬草の“朝鮮人参”。
朝鮮人参の根っこはとても高価なので、
日本産の「人参」を探す試みがくり返されたそう。
そのときに、名づけられたのでしょう。
ツリガネニンジンの根は白く太く、人参の形とよく似ているそうです。

花はいつも見るものより密集しています。
それがとてもかわいらしい。
変種のサイヨウシャジンかもしれません。




これはキキョウ。
キキョウは花が開く前の、
紙風船みたいにプクんッとふくらんでいる姿がけっこう好き。
桔梗の花咲く時ぽんと言ひそうな——加賀千代女
開花直前、花びらはお互いのふちでくっついたまま膨れているから
こんな様子になっています。

これまた、何にも知らんのやなーと思われることを覚悟で。
先生が言うには
「紫の花が咲くのと白の花が咲くのとは、咲く前からわかるよ。
紫のは茎とか葉がアントシアンで赤っぽくなるからね」
このアントシアンは、アリが口から出す蟻酸で紫から赤に変わるそうで、
このことは、平安時代の辞書に
「阿利乃比布岐(ありのひふき)」として掲載されているそうです。

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ツリガネニンジン(Adenophora triphylla var. japonica)
キキョウ科ツリガネニンジン属
花期は8〜10月。淡い紫色の、下を向いた釣鐘型の花を咲かせ、
数段に分かれて葉と同じように茎に輪生する枝の先に少数ずつをつける。
根はせき止めの漢方薬の「沙参(しゃじん)」になる。
「トトキ」の名で山菜としても有名。
(参考:Wikipedia季節の花300

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キキョウ(Platycodon grandiflorus)
キキョウ科キキョウ属
つぼみの状態から、“balloon flower”という英名を持つ。
花は武士に好まれたようで、家紋に取り入れられたり、
江戸城には「ききょうの間」や「桔梗門」の名前が残っている。
万葉集に出てくる「あさがお」は、桔梗のことだとも言われている。
生薬としてはサポニンを多く含む根を使い、生薬名は「桔梗根」。
根が太く、内部が充実し、えぐ味の強いものが良品とされる。
去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされ、消炎排膿薬、鎮咳去痰薬などに使われる。
漢方方剤としては、桔梗湯や十味敗毒湯、防風通聖散など。
(参考:Wikipedia季節の花300

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雨音はこう言っているようさ。
微笑みが今夜ここに来るだろう。
いつかどこかで微笑んでたあのメロディーは
流れてくれるのかな。こんな雨の日に。
おや、また雨がささやいてる。
考え事の隣で。
——SAKANA “雨音”

2014年7月10日木曜日

20140710:ハマゴウからはじめて。


こちら、広島は、台風一過、というには少し拍子抜けなもんで、
日本各地で騒がれているようなたいへんなことにはなりませんでした。
台風が行ってしまって何もかもが吹き飛ばされた後の、
独特の、喪失感と爽快感が入り交じった気分は何もありません。
それでも、晴れ間が見えると少し安堵が漂います。


ハマゴウはいい匂い。

そして、シャクヤクの種。
天気がいいのでとても鮮やか、より一層、グロテスク!

花のほうは「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われたり、
小野小町の伝説でも出てくるほどに美女の形容として親しまれているし、
花言葉だって「生まれながらの素質」だなんて、
たいそうな褒められようなんですが。

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ハマゴウ(Vitex rotundifolia)
クマツヅラ科ハマゴウ属
花期は7〜9月で、枝先に円錐花序をつけ、芳香のある青紫色の花をつける。
果実は蔓荊子、茎葉は蔓荊葉といって、いずれも陰干ししたものが生薬として使われる。
蔓荊子は、漢方では滋養強壮、解熱、消炎などの目的で服用される。
花期に刈り取られた蔓荊葉は入浴剤として。
神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり、冷え性などの痛みを和らげる効果があるとされる。
(参考:Wikipedia
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シャクヤク(Paeonia lactiflora)
ボタン科ボタン属
シャクヤクまたは近縁植物の根は、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用がある生薬で、
日本薬局方に収録されている。生薬名は「芍薬」。
初出は後漢から三国の頃に成立した中国の本草書『神農本草経』。
漢方では一般的な生薬で、葛根湯、芍薬甘草湯、と当帰芍薬散など多くの漢方方剤に配合される。
根には配糖体であるペオネフリン、アルカロイドであるペオニンが含まれる。
(参考:Wikipedia季節の花300

2014年7月9日水曜日

20140709:自然の営み。


未知の環境に入り込むときにはやっぱり少し不安で、
私だって少し孤独なんてのも感じながら、
図太い顔を貫きつつ心をゆらゆらと揺らして過ごしています。
カワラナデシコは、薬草園の中でも誰にも教えてもらう必要もなく
私が名前を知る数少ない植物のひとつ。
そんなことだけでもついつい馴染みありそうげで、
はかなげに見せる淡いピンクの花とも心が通いそうで、
ふらりと吸い寄せられてしまいます。
なでしこは
咲きて散りぬと
人は言えど
我が標めし野の
花にあらめやも
——大伴家持
カメラを構えて見えたのは、カマキリがアリを捕獲する瞬間。
これは本当にそういう動作なのかわからないけど、
カマキリはアリを両手でしっかりと抱えて
自分の口へと運んでいき、うごめくアリの内蔵(あるのか?)をカプ。
アリはそれでもまだもがいています。

生きてんやなぁ、と感激してしまいました。

ギンブロウが大きくなっているその傍らには、雨上がりのこんなキノコ。

こちら、コガネキヌカラカサタケ。
全体的に黄金色の鱗片に覆われています。
こないだせっせと草引きをしているとき、
たくさんの腐植した草がここにはありましたが、
それらが栄養分になった模様。
目を離していたのは月曜と火曜のたったの2日間のみ。
どんな短期間にこんなにおっきくなるねん。
傘の部分はたぶん長さ5cmほど。
ちゃんと見ようと思うと、目が離せません。

うん。未知だろうが既知だろうが、馴染もうが馴染むまいが、
生きるということには特にモンダイないようです。

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カワラナデシコ(Dianthus superbus L. var. longicalycinus(Maxim.) Williams)
ナデシコ科ナデシコ
秋の七草のひとつ。奈良時代ごろから多くの万葉歌人に愛され、
たくさんの歌にも詠まれている。
ナデシコとは「撫し子」と書く。
かわいい子どもの頭をなでる様子に共感した感情から生まれたと言われている。
草原や山地、河原等の環境は人の手により草刈や枝打ちがされ、
いわゆる里山としての利用がされてきた日当たりの良いところが
カワラナデシコが生息するのに適している。
つまり、人間と密接な関係から繁殖がなされてきたと言える。
薬用としても利用されており、開花期の全草を乾燥させたものを瞿麦(くばく)、
種子を乾燥したものを瞿麦子(くばくし)という
顕著な利尿作用があり、塩化物の排出量が増加。むくみのときの利尿に用いる。
通経薬として、生理不順にも。ただし、妊婦には用いない。
(参考:イー薬草・ドットコムWikipedia

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コラネカラカサタケ(Leucocoprinus bresadolae)
ハラタケ科キヌカラカサタケ属
熱帯系のきのこで、奄美、小笠原以南で普通に見られる。
土壌中の腐植を分解して栄養にする。
森林内の落葉や倒木は、いくつかの微生物が入れ替わりで分解していき、
この腐植分解菌が関与するのは、最終に近い部分となる
食用というよりは観賞用。食毒は不明。
表面にある黄金色の鱗片は触ると落ちてしまう。
(参考:森林総合研究所九州支所『九州の森と林業』
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突然ですが、今日の薬草園でのテーマ。

There was a finer life 
When I was with my friends and I could always see my family
That's what I still want now
Even if I'm here and I know they won't be waiting
'Cause I don't want to be alone
I don't want to be here alone
--Toro Y Moi "Still Sound"