2014年11月19日水曜日

20141119:ヤブレカブレ。

決して破れた葉っぱでもないのですが、
指と指の裂け目が大きいと、この終わりかけの紅も伴って、
「こいつ、破れかぶれに」と思わずにいられない。
…いや、今の私の状態を思わずにいられない。
だいたい、来週にはテストがあるというのに、
ワタクシめは未だほとんど何も理解をしていないという非常事態。
苗つけに夢中になっている場合ではないのです。

でも、夢中になってしまう理由は、
昨日ふらりと来た近所の農家の人に、
「あんたは植えるのがうまいねぇ。キレイに植えるもんやねぇ。
農業できる女性っていうのはいいねぇ」と大絶賛していただいたからでした。
ついこないだまで土に触ることすらためらわれた完全なるシティ派。
仕事といえば、ほとんどが街を闊歩して遊ぶことだったし、
実家の庭を眺めはすれども草引きすらしたこともなく、
母の実家は農家(@白木町)だというのに、
遊びに行って畑にも顔は出すものの、作業する手を羨ましそうに眺めるのみ。
つまり、収穫すら恐れ多くてできない輩だったのでした。
だから、そうやって褒めてもらうのがうれしくて。

酒場で誇らしげにその話をしていると、
「あれ、農学部、でしたっけ?」とからかわれてしまいました。

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--Wax Motif & Neoteric "Go Deep"
深みにはまりつつあります。

2014年11月18日火曜日

20141118:やっと終盤。


収穫が終わって、やっと苗つけをする場所ができました。
さっそくのその翌日から、先生の畑の整備が始まり、水曜日から苗つけを開始。
4限が終わってソッコーで作業を始めても、
5時半が過ぎるころにはすっかり日が暮れてしまう。
ほんの1時間ほどのすき間を縫いながら、
土日のほとんどを費やしながら、やっと終盤にたどり着きました。
前に植えていた大根やカブの間引きもしなければ、などと思っていると、
時間なんてあっという間に過ぎてしまうのです。
相方のオガタは授業が詰まっているし、
日曜はボランティアにいそいそと出かけてしまうので、
9割方は私が植えてしまいました。
「誰か誘ってやればいいのに」とたくさんの大人が言ってくれます。
でも、iPodを大音量にノリノリで単純作業をとつとつとこなすのは
共有しづらい楽しみと達成感なのでした。

そういえば、日曜日には、見回りの守衛さんが
「たいへんやねー」と言ってシュークリームをくれたり、
今日は、ふらりと来た近所の農家の人が「食べてみんさい」と言って
自分のとこで収穫したヒロカンランをくれたり、
ここで何かをしていると、何かと役得が多いようで。
なんだか、私ひとりで得してる感じで、申し訳ない。

--Scuola Furano "Danceteria"
podcast『soundwall』にて、大好きなDimitri from Parisのリミックスに収録されてました。
この80年代ディスコ風が最近のお気に入りなのです。

2014年11月15日土曜日

20141115:横顔。

結局、わからないまま撮っています。

クコ。
紫の花と、点々と主張する赤い実。

眠っていた心の中に 些細な些細な小さな傷 いつの間に
そのすき間から溢れてくるのは
あなたの名 優しく強い目 指 髪 全てに気付かされる
出逢えたこと 話をしたこと
次は触れたいといつからか願ってた
——aiko “横顔”

正面から向き合うこともおもしろいけど、
横からじぃっと見つめてみるのもいいカンジ。

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——Amy Winehouse "Tears Dry On Their Own"

2014年11月12日水曜日

20141112:見返り美人。


このシックな後ろ姿には、まいってしまいます。
振り返ると、
これまた万人が認める美人なのでした。

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--Bo Gumbos "見返り不美人"
単にこれやりたくて、後ろ姿を撮っただけだったりして。

2014年11月11日火曜日

20141111:たくさんの角度で。


先生に「ど忘れした」と言われて以来、
調べてみても名前が全くわからないまま、
というか、これが植物であることも忘れてしまいそうになるくらい
造形ばかりを見ているこのごろ。
このぷっくらとした鈴なりの花を
私が感じるのと同じような写真に撮りたいのに、
なかなか納得のいくものにならなくて、あがいてみています。

伝わるかなー。

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--Buffalo Daughter "Love & Food"

2014年11月9日日曜日

20141109:ムラサキの花たち。


結局、何なのかがわからないまま、
これは来年に持ち越されるのだろうと思っているもの。
この、ネックウォーマーの上にちょこんとついた
淡いムラサキの小花がかわいらしくて、
この枝分かれの具合もかなり控え目な感じを表しているようで
けっこうなツボではあるものの、
やっとこさ苗つけの準備で畑に精を出しはじめたこのごろでは
先生に会っても作業についての質問ばかりで
植物のことを質問するのをついうっかり忘れてしまうのです。
たぶん、花が終わったころに思い出して、
あー、また咲いたころに聞こう、となるのでしょう。

↓これはわかるよ。
またもお目見えのツリガネニンジン。
キキョウの一種。

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--Jane Weaver "Don't take my soul"

2014年11月8日土曜日

20141108:収穫。

半年足らずの月日を経て、ようやく出てきたサツマイモでございます。
薬草園の外の畑に植えられたイモ。
栄養学科の人たちのもいっしょに、
地域の人たちも集めて収穫を楽しんだのでした。

ピーナッツ。
こんなふうにできているとは想像してなかった学生も多いのでは。
たくさんの実が土に埋まっているとは言え、掘り出すのは意外と簡単。
根っこはしっかり這っているけど、
実は単に土に侵入しているだけだったりする。

収穫したものはその場で湯がいてみんなでいただきました。
でも、湯がかずとも、ナマのままで十分イケる。
数週間前に収穫して干しておいたのもいっしょに。
食べ比べもおもしろかった。

白ネギ。
ある程度、スコップを使って掘り出す。
傷つけないように注意が必要でした。
これ、事前に何本か私のエリアから収穫して食べたけど、
かなり太くて(直径35mmほど?)甘い。
ネギもこんなに。
みんなで分けて持って帰りました。



大きなものを掘って出すのはけっこうな達成感で、
みんなでやると一気に終わりました。
掘り出したのは、それこそ、その場で焼芋に。


もちろん、大量すぎてその場で食べきれるはずはなく。
絵本『おおきなおおきなおいも』を思い出してしまった。

2014年11月7日金曜日

20141107:Pretty Young Thing


「かわいいもの」というとまっ先に浮かぶのが、
かつて、いとうせいこうが『an an』で連載していた
「切なさのツボ」というコラム。
ここには、たとえば、「吊った足の小指」とか、
イエローカードやレッドカードを出されたときの
ヨーロッパ人選手の仕草、なんかに感じる
不完全さに心くすぐられるかわいさが書かれていました。
もう10数年前のこと。
読んでいた当時は、中身に共感してぷくく…と笑うくらいだったのだけど、
一歩離れてよく考えてみたら、「切なさ」と題して
「かわいさ」について話していることに妙を感じてしまった。

たとえば、赤ちゃんにかわいさを感じるのは、切なさゆえに。
儚く、守ってあげなければならないがために感じる「かわいさ」。
あるいは、守られなければならないために醸し出す「かわいさ」。
ここに、愛情ホルモンと称されるオキシトシンなんかもかかわったりして、
私たちは身体に、むしろ、細胞に支配されながら
切なさを「かわいさ」に置き換える。
それこそ数年前に誰かが、女子高生の言う「かわいい」について
論文のようなものを出していて、
そこでは「かわいい」の定義の拡大を指摘していたと記憶する。
かなり具体的事例で迫っていたけど、
趣旨としては写真集を見るのと大差なかった。
そもそもそれは、広告の方法論としての「かわいい」を説いたものだったし、
それはそれでおもしろかったからいいのです。

感覚的、というのはかなりオブラートにくるまれた表現。
「かわいい」を「感覚的」とするのは逃げの口上かもしれません。
実際は、それは説明しきれない本能を指しているのだから。
だから、そう感じるメカニズムは意外と単純かもしれないし、
(もう知られていることなのかもしれないし)
ま、たぶん、人文的にやるには限界があるだろうな、と思う。

なんてエラそうに言いながら、
最初の写真に出てくるものが何なのかすらわからないのでした。
ただ、私にとっては、すぐにいとうせいこうのコラムを思い出すような、
ちょっとしたくすぐりと、その愛おしさがこの植物にある、
というダケのことだったりするのです。

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--Michael Jackson "P.Y.T."

2014年11月6日木曜日

20141106:華やか。


そういえば、この桜は十月桜なんだそうです。
先生に聞くと「何を言うとるんじゃ」と一喝(でもないけど)を受けました。
狂い桜のほうがバカで愛らしいと思っていたので、
なんとなくガッカリしてしまった。
寒い時期に咲く桜が咲いても当たり前じゃないの、と思ってしまったのでした。

それでも、この季節に華やかに開く花は心を誘うのです。
たとえば、これはランの一種ですが、
こんなふうに鈴なりだと、いくら「華やかなのは好きじゃない」と思っても
つい引き寄せられてしまうのです。
しかも、この渋い色合い。サイコーです。

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--Tony Bennett, Lady Gaga "But Beautiful"

--Lady Gaga "Poker Face"

2014年11月4日火曜日

20141104:大きなオケラと小さなオケラ。


これまで幾度となく出てきたホソバオケラ(蒼朮)。
オオバナオケラ(白朮)を見落としていたのは迂闊でした。
堂々たる姿。
まだ咲く前で、色合いも甘くありません。

ちなみに、オケラ「朮」は四君子湯などに配合される生薬。
その中で朮は、無駄な水分を取り除く役目(むくみなど)を。
日本薬局方には「蒼朮または白朮」との記載、
先生にもらったツムラの漢方製剤辞典には「蒼朮」のみの記載。
「ツムラのには蒼朮を使ってるってことや」とのシンプルな回答でございました。

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--Raumskaya "You Knew Before"

2014年11月3日月曜日

20141103:講座のあと。


昨日の講座の後で薬草園を巡りながら発見したこと。
オリーブがちゃんと熟していました。
私のように植物にご縁のなかった者としては、
ステージの上で見たことのあったものが、
ステージを下りた姿で、身近なものとして生活感を露にしているようで、
なんとなく秘密を知ったような気分になってしまいました。
そうか、オリーブは瀬戸内の気候に適しているんですね、
なんて、ちょっと前に調べたことなど頭の中に持ち出したりして。

「知る」ということは、いくつか段階があると思っていて、
点だった知識がつながったり、平面的だったことが立体的になったり、
そうなっていくことがけっこうおもしろかったりして。

雑誌編集者として働いていたときのこだわりは、
立体的に知ったことを、平面的な紙の上でも、
できるかぎり立体的に届けることでした。
つまり、経験していないことでも、
自分が経験したことのように感じられること。
でもやっぱり、自分で体験しなければ、立体的になんてなりえない。
土に触れ、成長を心配したり、驚いたりがなければ、
そこに深く共感することはけっこう難しいことなんだなと、
上段に構えて、ピザに載ってるオリーブにウンチク垂れてすいませんと、
オリーブを見て改めて思ったことでした。

さて、こちらは、講座の後に先生のファンクラブ会員を動員して
集めた芍薬の根っこたち。
そうか、根っこが薬用部位だったもんねと、こちらも改めて。

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--Chassol "Music is God my Love"
逆に、知らないから自由に発想できる、ということでもある。子どものように。
肝心なのは、知っているふりをしないこと、だと信じています。

2014年11月2日日曜日

20121102:季節外れなのではないですか?

えっと、こないだ咲いたのは、5月か6月でしたよね、
と語りかけてしまいました。
元気そうにすくすく育っているのは知っていましたが、
まさか、ベニバナの花が咲くなんて。
他にも、名残惜しくしているものが複数。
夏に恋したヨロイグサも、あれだけ惜しみつつサヨナラしたのに、
またまた咲きそうにしていたりするんですから。

「親の意見と茄子の花は千に一つも徒はない」。
ナスは花が咲くと間違いなく実ができるそうで、
(これ、誰に聞いた話だったかな?)
つまり、まだまだ実がなりそうってことです。
ナスって夏野菜の代表格…だよね??
というか、
なってるし。

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--Ibeyi "River"