2014年9月30日火曜日

20140930:ベラドンナ…じゃなかった。


薬草園に行くと、ついつい土に植わってあるものに目がいくのですが、
しっかり目をこらしてみると、鉢にあるものでも
おもしろそうなものがたくさんあります。
これは、ベラドンナ。
…というか、鉢にあったラベルでそう思ったのですが、
調べてみたら、どうやら違うみたい。

ベラドンナという名はラテン語で「美しい淑女」を意味します。
ナス科の、トゲのある花だとか。
でも、これは、ナス科とはちょっと違うような。
なんだろう、これ。
花のつきかたからすると、セリ科のような気がするけど、
残念ながら、葉っぱを撮ってなかったのでわからず。
ザンネンなり。

セリ科と言えば、ウイキョウの花もキレイに咲いてました。

ウイキョウの花をちぎって食べると、
独特の甘い香りがノドの奥に広がる感じでおもしろい。
サラダなんかに使ったらよさそう、という話で、
以前にも紹介したことがあります。

次、ミシマサイコ。
植わっている場所に「ミシマサイコ」とあるのでわかりますが、
もしなかったら、ウイキョウと間違えてしまいそう。

こんな感じで、セリ科の区別は難しい。
また明日、聞いてみるとします。
とにかく、こないだ早期体験学習で羨ましくも
薬草園で有名な企業に見学に行った女の子がいて、
「薬草園、どうやった?」と聞いてみたら、
「うーん、お花がなかった」と答えられてガクッときたのでした。
よーく見れば、この時期も花のある植物はたくさん。
でも、やっぱり興味がないと見ないよね。

今日は栄養学科の女の子といっしょに
畑にダイコンとカブの種をまきました。
明日は水菜やら白菜やらの葉物の種まきをする予定。
タノシミ、タノシミ。

↓一応、まとめておきます。
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ベラドンナ(学名:Atropa bella-donna)
ナス科オオカミナスビ属
ラテン語で「美しい淑女」の意味を持つのは、
ルネッサンス期にイタリアのベネチアなどで婦人たちが
目を大きく美しく見せるためにこの植物の葉の汁を点眼していたことに由来すると言われる。
ベラドンナの葉や根には、瞳孔を拡大する散瞳作用をもつアトロピンを含んでいる。
アトロピンは、地下鉄サリン事件のときに、
サリン解毒の特効薬として、硫酸アトロピンの注射剤が使用されたことでも知られる。
その一方、西洋では、魔女が使う毒草としても有名で、「魔女の草」とも呼ばれる。
摂取し中毒を起こすと、嘔吐や異常興奮を起こし、最悪の場合には死に至ることも。
(参考:Wikipedia日本新薬ホームページ
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ウイキョウ(学名:Foeniculum vulgare)
セリ科ウイキョウ属
またの名を「フェンネル」という。
地中海沿岸が原産とされ、古代エジプトや古代ローマでも栽培されていた記録がある。
主産地はインド、中国、エジプト。日本には平安時代に中国から渡来。
果実は生薬「茴香(ウイキョウ)」で、健胃整腸、鎮痛、去痰、駆風などに効果がある。
漢方方剤の安中散(アンチュウサン)や、太田胃散、口中清涼剤の仁丹などにつかわれている。
食用としては、西洋では魚料理やピクルスの風味付けに、
インドではカレー料理に、中国では五香粉の原料として。
また、パスティスやアクアヴィットなどの酒類、リキュール類の香り付けにも用いられる。
(参考:Wikipedia武田薬品ホームページ
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ミシマサイコ(学名:Bupleurum scorzonerifolium)
セリ科ミシマサイコ属
日当たりの良い山野に自生する多年草。
薬用植物で、根は生薬「柴胡(サイコ)」として、日本薬局方に収録されている。
サイコサポニン、フィトステロールなどの成分を含有。
解熱、鎮痛、解毒として抗炎症、肝臓などの漢方治療に。
解熱、鎮痛作用があり、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、小柴胡湯(ショウサイコトウ)、
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)など、多くの漢方方剤に配合される。
(参考:Wikipediaイー薬草ドットコム
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--Belladonna "Black Jazz"

2014年9月27日土曜日

20140927:変化。

アマチャの花期はどうやら7月頃だったようで、
そのころなら、ガクアジサイのような散形花序をつけるとか。
残念ながら、そのころの姿は全く目に入っていませんでした。
葉だけになったこのごろ、なぜか夕暮れに目に飛び込んできたのでした。

植物はいつも同じところに立っていますが、
いつも同じ姿ではありません。
わかりやすいのが花期、それに実の時期。
植物もそのときには、花粉や種を運んでもらうために、
できるだけその対象の動物にとって華やかに映るように、
見た目も、香りも、味も整えるのです。
それらが全て、化学反応の積み重ね…ということに驚きを禁じ得ません。
植物をじっと見ていて、そのことがジワジワとココロに沁み込んでくると、
とても壮大なドラマを観ているような気分になるのです。
今、アマチャは葉っぱだらけ。
手を広げて、エネルギーをいっぱい貯えています。


さて、こちらは私のギンブロウ。
目が離せないほどに、日々姿を変えています。
一方では花が咲き、一方では花が終わり、
終わったあとから実が伸びています。




テントの横では、先生が染料を乾燥させていました。
上はアカネ。下はムラサキです。
いずれも根っこ。
私たちの目にはほとんど関係のない部分に思えますが、
草引きをしていると、土の下でこそ、
激しく生存競争をしていることがよくわかります。

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アマチャ(学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergii)
ユキノシタ科アジサイ属
植物学的には、ヤマアジサイと同一物。
干した葉を煮出して飲料とした甘茶は、黄褐色で甘みがある。
お釈迦様が生まれたとされる4月8日に、甘露の雨が降ったという言い伝えから、
毎年のその日、灌仏会(カンブツエ)という仏教の祭で、お釈迦様の像に注ぐ風習もある。
薬用としての有効成分は、フィロズルチン、イソフィロズルチン。
甘みがあり、その結晶は、ショ糖の400あるいは600〜800倍、サッカリンの2倍の甘さだが、
ヒトの体内では消化吸収されないため、
糖尿病患者や肥満症患者の砂糖代わりの甘味料としても使われる。
この他、さまざまな家庭薬に配合されていたり、
あるいは、口中清涼剤や歯みがきの甘味、醤油の味付けなどにも用いられている。
(参考:Wikipediaイー薬草ドットコム季節の花300
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ギンブロウ(学名:Phaseolus vulgaris)
マメ科
特に品種としての固有名はなく、一般にギンブロウと呼ばれ、
それぞれの家単位で個別に採種されている。
特定の地域で隔離栽培に近い状態で長年にわたって栽培採種されているため、
品質的には純粋な品種といってよいと考えられる。
(参考:「地方品種をめぐる2」西悦子著)※PDF
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アカネ(学名:Rubia argyi)
アカネ科アカネ属
つる性多年生植物。根は乾燥すると赤黄色から橙色となり、
赤い根であることからアカネと名づけられたと言われる。
花期は夏から秋にかけて。目立たない小さな花が咲く。
染料、薬用ともに、根を使う。生薬名は「茜草(センソウ)」。
利尿、止血、通経薬として、鼻血、吐血、血尿、血便、腎臓病、
黄疸、神経痛、リューマチ、月経不順に効き目がある。
また、消炎作用が強く、せきを止める作用もある。
果実を通経剤として、月経不順のときに煎じて使うと効き目があるともいわれている。
参考:Wikipediaイー薬草ドットコム
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ムラサキ(学名:Lithospermum erythrorhizon)
ムラサキ科ムラサキ属
多年草で、初夏から夏にかけて白い花を咲かせる。
根は暗紫色で、染料としても生薬としても使われる。
生薬名は「紫根(シコン)」。日本薬局方にも収録されている。
抗炎症作用、創傷治癒の促進作用、殺菌作用などがあり、
紫雲膏などの漢方方剤に外用薬として配合される。
最近では、日本でも抗炎症薬として、口内炎・舌炎の治療に使用される。
また、肝癌などを誘発するピロリジジンアルカロイドを含有するため、使用には注意が必要。
万葉集にも登場するほど歴史は古く、奈良時代から江戸時代末期まで栽培されてきたが、
明治以降、合成染料の登場により商業的価値を失い、
ムラサキ自体も絶滅危惧種にランクされるまでになってしまっている。
(参考:Wikipedia
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She walked towards you with her head down low
She wondered if there was a way out of the blue
Who's gonna take her home this time?
She knew that this time wouldn't be the last time
There she waits looking for a savior
Someone to save her from a dying self
Always taking ten steps back and one step forward
She's tired, but she don't stop
Every day she stood, hoping for a new life
She closed her eyes, and she heard a small voice say
You don't stop no, you belong to me
She cried, maybe it's too late
Don't, don't stop, don't, don't
--Laura Mvula "She"

20140927:ホソバオケラのツボミ


先生に、秋ならどの植物か聞いてみると、
「10月やったら、リンドウかオケラ」とのこと。
そこで、ホソバオケラ。
すでに白い花を開いているものもありますが、
こちらのほうがカタチもキレイ。

さて、この写真を撮ったのは27日だし、
このブログの日付も27日にしてはみましたが、
書いている今は、29日の朝でございます。
昨日は「書く仕事」というセミナー(…というべきか??)の
手伝いに行ってまいりました。
私はこれまで、書く仕事をしていたけど、
ま、読んでの通りで、テクニック云々というものは
全く持ち合わせていないのです。
中国新聞の記者さん、タウン誌の元編集長、
それにフリーライターの方を交えて、
聴衆者は10数名という超少人数でやりました。
(いつもこのくらいの小さいキャパ。かなり贅沢)

「書く」という仕事に私が思うおもしろさは、
ひとつは、同じものを表現したとしても、視点の違いが顕著に表れるということ。
もうひとつは、書いているうちに、書いている本人の中でより噛み砕かれて
「あーそうか」と腑に落ちることをたくさん繰り返しながら書かれた文章は、
ぐいぐいと力を持っているというか、だいたい成功である場合が多いこと。
(このあたりのプロセスは、同じ文章でも論文やレポートと違っている)
つまり、感じていることを言葉にして整理する、ということは、
それそのものがずばり、仕事でありながらアドベンチャーのような感覚。
(だから、それでお金を稼ぐ、ということが苦しくもある)
3人の話もだいたい同じようなもんで、
くやしーなーと羨望の眼差しを向けながら、
いろんなことを思い出していたのでした。
「わかりにくいことを、おもしろく」
「おもしろくないことを、おもしろく」
線路を切り替える前に強く思ったことを、再度確認した一日でした。
昨日は人生初の売り込みもしてみたし。
仕事もらえるといいな。

ホソバオケラは、書くための口実と化してしまいました。
またすぐ咲くだろうから、そのときに、また。

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ホソバオケラ(学名:Atractylodes lancea DC.)
キク科オケラ属
中国原産の多年草で、日本には八代将軍吉宗の時代に伝来。
日本産のオケラに比べて、葉が細いことからこの名になった。
薬用部位は根茎。生薬名は蒼朮(ソウジュツ)。
アトラクチロジン、アトラクチロジノール、ヒネゾール、
β-オイデスモール、エレモールなどが含まれ、漢方処方に用いられる。
蒼朮が配合される漢方処方には、神経質でのめまいや動悸のする場合、
息切れがして頭が痛いときに用いる苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)のほか、
平胃散(ヘイイサン)、五苓散(ゴレイサン)、消風散(ショウフウサン)、
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)など。
ちなみに、日本産のオケラは生薬名で白朮(ギャクジュツ)。
1708年にまとめられた『大和本草』によると、
「蒼朮は汗を発し、風寒湿を去り、気を下し、痰食水を消す」
「白朮は脾胃を強くして飲食を進め、虚を補ひ、汗や瀉を止める」とある。
(参考:イー薬草ドットコム
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--Earth, Wind & Fire "September"
我ながらベタですな。ホンマのとこ、Decemberの歌やけどね。

2014年9月26日金曜日

20140926:芽吹き。




収穫の秋、実りの秋は当然ですが、野菜も植えている植物園では、
収穫後、また新たに植物が植えられます。
写真は上からキャベツ、ミズナ、九条ネギ。
これらは畑に直に植えるスペースがなかったので
小さく苗立てされているのです。
この他に、キュウリやダイコン、ニンジン、それにニラの幼い姿も。


ポスターのモチーフに使ったトウキも、

また新しいイノチが芽吹いています。

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キャベツ(学名:Brassica oleracea L. var. capitata)
アブラナ科アブラナ属
多年草だが、栽培上は一年生植物として扱われる。
和名には、中国名を由来とする甘藍と、結球する姿をもじった玉菜というのも。
結球は葉の成長ホルモンであるオーキシンが裏側に偏ることから。
中心に近い葉ほど内側を向いているのは、
外側が先に育ち、内側はその後、混んだところで出葉するため。
古代では野菜より薬草として用いられ、
古代ギリシャ、古代ローマでは胃腸の調子を整える健康食として食されていた。
野菜としての栽培が広まったのは9世紀ごろになってかた。
日本に伝わったのは幕末の1850年代。
これ以前にも、江戸時代前期にオランダから持ち込まれたとも言われる。
(参考:Wikipedia
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ミズナ(学名:Brassica rapa L. var. laciniifolia)
アブラナ科アブラナ属
植物学的にはアブラナやカブ、キャベツとも同種。同種同変種にミブナも。
越冬して栽培する一年生植物。1680年ごろには、京都西南部の東寺・九条付近で栽培されていた。
伝統的な品種としては、大阪や京都など近畿地方を中心とし、
葉の切れ込みが深く、葉柄が細く、収穫期にほとんど株立ちしない関西系の品種と、
静岡や愛知など東海地方を中心として葉の切れ込みが比較的浅く、葉柄ががっしりと太く、
若干の株立ち状態で収穫される関東系とされる品種がある。
関西系は生食も可能。はりはり鍋に不可欠な食材としても親しまれてきた。
それに対し関東系は、野趣に富んでいるため、加熱調理されることが多い。
京都付近では秋に苗床に播種し、晩秋に畑に定植。耐寒性が強く、旬は晩秋から冬。
ビタミンA、ビタミンC、カルシウムが多く含まれている。
(参考:Wikipedia
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ネギ(学名:Allium fistulosum L.)
ネギ科ネギ属
日本では古くから薬味として用いられる他、鍋料理にも欠かせない食材のひとつとされる。
硫化アリルを成分とする特有の辛味と匂いを持つ。
ネギの茎は下にある根から上1cmまでで、そこから上全部は葉。
九条ネギは、青ネギの一種。もともとは大阪・難波に自生していたネギが原種と言われ、
後に京都に伝わって品種改良が施された。
白い部分には、ビタミンCとともに抗菌・抗カビ作用がある硫化アリル、
発汗作用などで体を温める効果があるアリシンが多く含まれている。
(参考:Wikipedia
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トウキ(学名:Angelica acutiloba)
セリ科シシウド属
多年草。根は漢方薬として用いられる。生薬名は「当帰」。
全草に特異な甘い芳香がある。
漢方では婦人病の重要生薬で、鎮静、鎮痛、強壮剤として
妊婦のむくみ、腹痛、月経痛などに効果がある当帰芍薬散、当帰建中糖などに配合されている。
これは、婦人産後の要薬でもあり、鎮静通経も認められている。
手足を暖める作用が強く、冷え性、血色改善、血行障害、頭痛、貧血などにも応用される。
(参考:イー薬草ドットコム
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昨日の記事で「偽果」のことを説明していませんでした。
偽果とは、子房ではなく、その隣接した組織に由来する果実状の器官。
イチジクやリンゴ、ナシ、イチゴなどにも見られる。
要するに、本当の種じゃないもの。
これらは果物によく見られますが、
おそらく、ヒトを含む動物に種を食べてもらい、
糞やなんかで出したものを結実させる意味を持つものも多いんだと思います。

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--Dr.John "Iko Iko"


--Dixie Cups "Iko Iko"

2014年9月25日木曜日

20140925:サンザシ


一気に夜が早くなってしまいました。
6時半にまだなっていないころ、いそいそと薬草園に出かけたのですが、
すでにオートフォーカスではピントが合わない時間でした。
その中で、しつこく追いかけてみたのがこれ。
サンザシです。

9月3日の段階では、まだほんのりピンクづいたくらいの色だったのが、
もうすっかり真っ赤な、おいしそうな色になっています。
でも先生曰く「食べれんことはないけど、おいしくないよ」と。
むしろ、ナツメは昔はお菓子代わりに食べていたらしく、
言われるがままに口に入れてみました。

9月14日に撮影したナツメ。

9月5日のナツメ。
赤くても青くても食べられます。
見た目で想像できるでしょうが、赤いのは甘い。青いのは甘くない。
表現するとしたら、水分のなくなったナシ、といった趣。
食べ慣れない食感は、やや戸惑うものです。

それにしても、あんなにキレイな色をしたサンザシがおいしくないなんて。
でも、カリンやアンズみたいにお酒につけるとよさそうです。

暗がりの薬草園だと、昼間とは違うものに目がいきます。
たとえば、アマチャの葉の色は引き立って見えたのでした。
面倒だけど、次は三脚も持って行ってみるとしましょう。

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サンザシ(学名:Crataegus cuneata)
バラ科サンザシ属
落葉性の低木。分枝がとても多く、小枝が変化した棘もたくさん。
花は4〜5月に小枝の先端に大きな白い花。散房花序で、萼片、花弁ともに5枚、雄しべ20本。
果実は偽果で、秋に赤色に熟す。完熟少し前の10月ころに採取し、天日で乾燥させる。
これが、山査子(さんざし)と言われる生薬となる。
山査子は、漢方で健胃、消化、整腸薬として消化不良、食欲不振、下痢などに用いる。
クラテガル酸を含み、薬理実験では、胃液の分泌を促進して消化を助ける作用が確認されている。
ただし、胃酸過多や胃潰瘍の人には用いてはいけない。
果実には、プロテナーゼ、アミラーゼなどの酵素が含有され、
食物の消化を促進し、魚類を煮るときにいっしょに煮ると、骨までやわらかくなる。
サンザシの花にはアミンが含まれる。
(参考:イー薬草ドットコム
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ナツメ(学名:Ziziphus jujuba var. inermis)
クロウメモドキ科ナツメ属
薬用には種子を使う。種子を日干しにしたものは生薬名を大棗(タイソウ)といい、
または、暗褐色なので黒棗(コクソウ)ともいう。
夜露に当てて翌日日干しにしたものは、赤いので紅棗(コウソウ)。
緩和、強壮、利尿、鎮痙、鎮静などに応用される。
とくに、緊張による痛みや急迫症状、知覚過敏などの症状を緩和して、
他の薬物の作用を穏やかにするため、他の生薬と配合した漢方薬が多い。
葛根湯にも配合される。
(参考:イー薬草ドットコム
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--John Simon "My Name Is Jack"

2014年9月24日水曜日

20140924:結実。

おひさしぶりのギンブロウ。
しばらく注目していないうちに、花が咲くまでになっていました。
それにしても、種をまいてからもう2〜3か月くらいになるのに、
やっと、という感じ。
マメ科らしい、妖精みたいな花がついていました。
この夏は、雨が降らなかった期間もけっこう長くて、
その間にほとんどのギンブロウはヘタってしまいました。
ここは早いうちに蔓のための柱を立てていたし、
同じ花壇にハブソウが群生していて陰もそこそこあったからでしょうか。


上はナツメ。
下はご存じのカキ。
ナツメはこんなに褐色になりました。

BB(ブリジッド・バルドー)も26歳のときに自殺未遂をしているが
(引退後も何度か未遂の噂アリ)決定的なダメージに至らなかったのは、
より彼女が現世的でリアルな存在だったからだ。
自伝『イニシャルB.B.』には、
したがかで感受性の強い一人の女が描かれているが、
人生という長い道程を歩き続けるには、
ある種の開き直りとふてぶてしさが必要なのだ。
——『花椿』2001年9月号「宇宙の気持ち」文:小田島久恵

実りの秋ですね。
早期体験学習もいよいよ終了。
あさっては全学の一年生が集まったところでプレゼン。
そして、夏休みが終わるのです。

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ギンブロウ(学名:Phaseolus vulgaris)
マメ科
特に品種としての固有名はなく、一般にギンブロウと呼ばれ、
それぞれの家単位で個別に採種されている。
特定の地域で隔離栽培に近い状態で長年にわたって栽培採種されているため、
品質的には純粋な品種といってよいと考えられる。
(参考:「地方品種をめぐる2」西悦子著)※PDF
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ナツメ(学名:Ziziphus jujuba var. inermis)
クロウメモドキ科ナツメ属
薬用には種子を使う。種子を日干しにしたものは生薬名を大棗(タイソウ)といい、
または、暗褐色なので黒棗(コクソウ)ともいう。
夜露に当てて翌日日干しにしたものは、赤いので紅棗(コウソウ)。
緩和、強壮、利尿、鎮痙、鎮静などに応用される。
とくに、緊張による痛みや急迫症状、知覚過敏などの症状を緩和して、
他の薬物の作用を穏やかにするため、他の生薬と配合した漢方薬が多い。
(参考:イー薬草ドットコム
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カキノキ
カキノキ科カキノキ属
落葉樹。
熟した果実は食用、幹は家具材、葉は茶の代わりにもと、
とにかく生活に密着している。
果実にはタンニンが多く含まれ、柿渋は防腐剤としても。
葉にはビタミンCやK、B類といったミネラル分フラボノイドなどが多く含まれ、
血管を強化する作用や止血作用を持つとされるため、
お茶は、民間療法に古くから使われており、
また、近年では花粉症予防にも有効とされ、サプリメント等に加工され商品化されている。
その殺菌効果から柿の葉寿司などにも利用される。
生薬名は「柿蔕(してい)」。
(参考:Wikipedia
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--The Four Seasons "Sherry"

2014年9月22日月曜日

20140922:いがいが。


春の間からすでにとんがっていたチョウセンアサガオ。
白く優雅そうな花を咲かせるようですが、
花を見ることなく、実が熟していました。
これは6月ごろの姿。すでに痛そう。

今日は、薬草園で作業をしていた人が多く、
私が「この実はなんですか?」と聞きまわっていたら、
おもしろい話を教えてもらいました。

1800年ごろ、世界で初めて全身麻酔薬を創製して乳がん手術に成功したのは、
紀州の外科医、華岡青州という人でした。
彼は、和漢古今の本を読みあさって、山から草根実を採取し、
空地に薬草を栽培して、鳥や動物で薬効を試すのみならず、
自分のカラダ、母のカラダ、妻のカラダでも薬効を調べたようです。
その結果、母は死に、妻は中毒で失明したとか。
恐ろしい話ですが、これらの実験から、
「通仙散」という麻酔薬が誕生したとのこと。
これには、チョウセンアサガオの花、葉、味、ヤマトリカブトなどの根塊、
ヨロイグサの根、トウキの根、センキュウの根茎、テンナンショウの根茎が
それぞれ配合されています。
通仙散よりも先に、チョウセンアサガオを配合した薬方はあったようで、
それを参考にしながらつくられたこの薬は、
より体内吸収速度を抑えて安全性を高めたものなんだそうです。
以上、『イー・草・ドット・コム』も参照しました。

チョウセンアサガオの根はゴボウとよく似ています。
ただし、ゴボウと違って毒性が強い。
あと、チョウセンアサガオのつぼみはオクラとよく似ている。
もちろん、強力に毒性ありです。
チョウセンアサガオに関する中毒の話は、
ちょっと調べるとたくさん出てきます。要注意ですね。

チョーシにのって写真を撮っていたら、
脇の下やら腕にチクチクするものが。
「先生!、服にいっぱいつくんじゃが、こりゃあ、何じゃろ!」
と作業をしていたおじさまたちと私とで大騒ぎがはじまりました。
「そりゃ、ゴボウじゃが」と先生。
ゴボウは根っこをいただきます。
根っこばかりを見ているので、まさかこんな風貌だとは気付かないのです。
ゴボウの茶色部分に栄養素が多く含まれるので、
洗いすぎないことがポイント。

先日「これはなんだろう」とウヤムヤにしていたのは
猛毒・リシンの元であるトウゴマでございました。
こちらもいがいがとしています。

先生の話によると、毒を調べて薬草につなげることが多いとのこと。
それは、毒が代謝に直結するからだし、
その要素を何らかのカタチで薄めたり、中和させることで
カラダのどこかを補ってくれる薬になる。
一番最初に、先生の講座を受けたときに聞いた話ですが、
私はなぜかちょっとワクワクしながら、
話がストンと腑に落ちるのを感じたのでした。

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チョウセンアサガオ(Datura metel/L.)
ナス科チョウセンアサガオ属
葉や花をみると確かにそうなのだが、ナス科だったとはちょっと意外。
仏様が説法するときに、天から降りてきて人の心に喜びを感じることができる花、
という意味で梵語から「マンダラゲ(曼荼羅華)」との異名もある。
日本には17世紀末ごろに伝来。園芸用には「ダチュラ」の名で流通している他、
「キチガイナスビ」とも呼ばれている。
一年草で、夏から秋にかけて漏斗状の白い花を咲かせる。
果実は球形。短いとげが多数付いており、
熟すと割れて、中に入っているたくさんの種子を飛ばす。
有毒部分は花または全草、種子、葉。全草にトロパンアルカロイドを含み、
日本薬局方では毒薬に指定されている。
副交感神経抑制作用、中枢神経興奮作用がある。
現在ではアトロピン、スコポラミンの抽出原料とされている。
(参考:Wikipediaイー・草・ドット・コム/『原色薬草図鑑』北隆館P77)
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ゴボウ(Arctium lappa L.)
キク科ゴボウ属
ユーラシア大陸原産で、縄文時代か平安時代に日本に伝わったといわれる。
食すようになったのは江戸時代から明治にかけて。根や葉を食用とする。
花期は6〜7月。紫色のアザミに似た、トゲのある花を咲かせる。
ゴボウにはポリフェノールであるクロロゲン酸が豊富に含まれている。
このクロロゲン酸はゴボウを水にさらしたときに出てくる茶褐色の成分で抗酸化作用がある
そのため、皮をむかない、水にさらさずすぐ調理する、大きめにゴロンと切る、
というのがゴボウ調理の三大新常識となっている。
その他、食物繊維、特に、イヌリンを主体とする水溶性食物繊維が豊富。
薬用部分は葉(牛蒡葉=ゴボウヨウ)、種子(牛蒡子/悪実=アクジツ)、根(牛蒡根=ゴボウコン)。
牛蒡根は発汗利尿作用に、悪実は浮腫、咽頭痛、解毒に。
乳腺炎に、種をそのまま食べるか煎じる使用法も有効として民間に口伝えで知られる。
繊維質が豊富なことから、便秘予防にも。
試験管レベルの実験では、酸素状態の悪い大腸がんの細胞に対して、
選択的に倍加した毒性を発揮する性質があるともされるが、
大腸がんや直腸がん予防に効果がある、というのは正確ではない。
(参考:Wikipedia/『原色薬草図鑑』北隆館P123
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トウゴマ(Ricinus communis)
トウダイグサ科トウゴマ属
種子から得られる油はひまし油として広く使われている。
また、種にはリシンという毒タンパク質がある。
種子は主にリシノリンなどのトリグリセリドを多く含む。
紀元前4000年頃のエジプトの墓所からもトウゴマの種は見つかっており、
また、ヘロドトスや他のギリシャ人旅行者は、ひまし油を
灯りや身体にぬる油として使用していたという記述も。
インドでも、紀元前2000年頃からひまし油を灯りや便秘薬に使っていたという記録があったり、
中国でも数世紀にわたって、内用・外用の医薬品として処方されている。
現在、ひまし油は日本薬局方に収録されており、下剤として使われる。
ただし、猛毒のリシンが含まれているため、使用には要注意。
特に、妊娠中や生理中の女性は使用してはならない。
種子そのものを口にする行為はさらに危険。
(参考:Wikipedia
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--Suzanne Vega "Tom's Diner"

2014年9月21日日曜日

20140921:A/W NEW ARRIVAL


さて、新しい季節に向けて、遅ればせながら新しいポスターをつくります。
予定では10月半ばごろ、学校に掲示するイメージ。
ホントは、植物の話を集めたフリーペーパーを置きたかったけど、
もうちょっと時期を読んでみます。
さて、この新しい季節にぴったりな植物はなんでしょうか、と
先生に聞いてみると、「ありのひふき=キキョウ」と。
キキョウは、夏のピークの少し前からボツボツと開いていたのですが、
今も、日々新しい花を見せつけていました。

前回は白色だったけど、今日はムラサキの。
紙風船みたくプクリとふくれたツボミは、今日は見当たりませんでした。


これは、マオウ。
重要生薬でもある麻黄ですが、
ほとんど姿を変えないので、写真を撮るにはちょっとドラマが足りません。

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キキョウ(Platycodon grandiflorus)
キキョウ科キキョウ属
つぼみの状態から、“balloon flower”という英名を持つ。
花は武士に好まれたようで、家紋に取り入れられたり、
江戸城には「ききょうの間」や「桔梗門」の名前が残っている。
万葉集に出てくる「あさがお」は、桔梗のことだとも言われている。
生薬としてはサポニンを多く含む根を使い、生薬名は「桔梗根」。
根が太く、内部が充実し、えぐ味の強いものが良品とされる。
去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされ、消炎排膿薬、鎮咳去痰薬などに使われる。
漢方方剤としては、桔梗湯や十味敗毒湯、防風通聖散など。
(参考:Wikipedia季節の花300
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マオウ(学名:Ephedra sinica Stapf
マオウ科マオウ属
葉は退化 して鱗片状になっている。高さは数十cm、茎は節で分岐する。
雌雄異株で、花は胞子葉が松かさ状に重なって節につく。
薬用部分は地下茎で、古くから生薬の麻黄として用いられている。
日本薬局方においては、シナマオウ(E. sinica Stapf:草麻黄)、
チュウマオウ(E. intermedia Schrenk et C. A. Meyer:中麻黄)、
モクゾクマオウ(E. equisetina Bunge:木賊麻黄)を麻黄の基源植物とし、
それらの地上茎を用いると定義している。
アルカロイドの一種などを含み、交感神経興奮作用がある。
また、気管支筋弛緩、発汗、血圧上昇作用があり、
咳止め、発汗、痰を除く薬として肺炎などに使用される。
(参考:Wikipedia/『原色薬草図鑑』北隆館P225
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2014年9月19日金曜日

20140919:ムラサキのタネ採り。

http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/img/10img/100144_01l.jpgより

薬草園には、ムラサキという植物も育っています。
花は白いのに、「ムラサキ」。
根っこを染料に使うのです。
ちなみに、十二単にも使われていたそう。
うまく撮れないなぁと思っているうちに、花の時期は過ぎ去ってしまって、
気づけばこんな様子になっていたのでした。

先生に「この白いのはタネですか」と質問すると、
「採ってみんさい」と、こんな瓶を渡されたのです。
植物のタネは、全部が全部発芽するわけではありません。
全てが育ってしまうとその一帯の優勢種になってしまうからです。
多様性を考えると、たしかにそうなのですが、
薬用やなんかに使うとなると、話は別。
全部がちゃんと発芽できるように手助けするのです。
たとえば、殻が硬いものを柔らかくしたり、キズを付けてあげたり。
植物体によって、土を酸性にしたり、塩基性にしたりするそう。
ムラサキの場合は、土に石灰を加えてタネと混ぜて、
その後冷蔵庫などで4度程度に低温保存するのです。

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ムラサキ(学名:Lithospermum erythrorhizon
ムラサキ科ムラサキ属
花は初夏から夏にかけて。
古来から紫色の染料として根が用いられ、万葉集にもこの名前が登場している。
「ムラサキ」の言葉の由来は、
この植物が群れになって咲くことから「群れ咲き」からという説と、
花の色がムラになっていることから「ムラ咲き」という説があり、
植物名が染料の色に転用されたとされている。
薬用には根が使われ、生薬名は「紫根(しこん)」。
日本薬局方に収録され、抗炎症作用、創傷治癒の促進作用、殺菌作用などがある。
紫雲膏などの漢方方剤に外用薬として配合される。
その他、抗炎症薬として、口内炎、舌炎の治療に。
近年は絶滅危惧種レッドデータブックIBにランクされている。
(参考:Wikipedia
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2014年9月18日木曜日

20140918:ヨロイグサの後。


ヨロイをかぶっていると、それを見る人はみんな、
戦いに行くのかなと思うでしょう。
恐る恐る様子を見守り、
その戦いが自分に向けられたものではないことを確認するかもしれません。
自分が攻撃されると思えば防御の体勢をとり、
あるいは、先手必勝で攻撃をしかけるかもしれません。
誰しも、粗末に扱われることを好みません。
好意は好意を生むし、アンチはアンチを生むのです。
防御の体勢をとれば、相手も防御に入り、攻撃すれば、攻撃されるのです。
ヨロイを脱がなければ、自分が丸腰であることが見えないのです。

ヨロイグサは、すっかりヨロイを脱いで、丸腰になってしまいました。
数日前までこんなだったのに。

多くの言動、振る舞いを観察していると、すぐに底が見えてしまって、
相手にするのもアホらし、となってしまったのでした。
で、ささくれ立った気分はすっかりまろやかに。
あの怒りは何だったのだろう。

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ヨロイグサ(Angelica dahurica(Fisch.) Benth.et Hook. f.)
セリ科シシウド属
茎は太く中空で、上部で枝分かれする。葉は羽状複葉。
抽台すると鎧のような姿になり、花が咲いたら枯れていく。
薬用部分は根で、生薬名は白芷(びゃくし)。
ビャクアンゲリコールなどの成分を含み、
解熱、鎮痛、解毒、排膿作用がある。
一般用漢方製剤294処方のうち、五積散、清上防風湯など15処方に配合されている。
(参考:Wikipedia武田薬品工業株式会社京都薬草植物園
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いちばん痛い ファジィな痛み
どうしてか 言えばよかったのかな
——PSY・S “ファジィな痛み”

2014年9月17日水曜日

20140917:ヒガンバナよりはじめて。


四万十川の源流点近くにある実家の周辺には、
ヒガンバナがたくさんすっくと立ち上がっていて、
この時期になると河原の周辺が赤い花でいっぱいになります。
「そうか、夏が終わったんか」と思うのは、その花を見たとき。
子どものころ、植物マニアの姉が
「饅頭を下げてるみたいやろ、だから曼珠沙華」と教えてくれました。
どこに饅頭らしきものがあるのだろうと、今でも思っています。

この白いのは何かなと思ったら、白いヒガンバナなのでした。
どうりで同様に、曼珠沙華。
葉のない、異様な立ち上がりが特徴なのも同じく。
得意気に母に話すと「白はふつう」とバカにされてしまいました。

先生が言うには、ヒガンバナを町おこしに使うところは、
この時期より少し前、つまり夏も終わりかけになると、
一気に草を刈るんだそうで。
そうすると、ヒガンバナの花芽が起きてくるのがよくわかる。
私はできれば、花が開く前の、その、花芽が起きてくる様子を見てみたい。


藤袴
きて脱ぎかけし
主や誰
問へどこたへず
野辺の秋風
※金槐和歌集 源実朝
小さいピンクのツボミが、たくさん、たくさんありました。
「手でさわーっとかきわけたら、いい匂いがするよ」と先生。
今日はやってみませんでしたが、明日また、やってみるとしましょう。

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ヒガンバナ(学名:Lycoris radiata Herb.)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
全草有毒の多年生の球根性植物。散形花序で6枚の花弁が放射状につく。
開花終了の後、線形の細い葉をロゼット状に出す。花と葉が同時に出ることはない。
日本全国で見られるものの、自生ではなく、
中国から、稲作の伝来時に土とともに帰化したものといわれている。
鱗茎はデンプンと有毒成分のリコリンを含むが、
リコリンは水溶性で、長時間水にひたせば無害化できるため、
戦時や非常時に食用とされたことも。
また、鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬で、利尿や去痰作用があるが、
有毒のため、民間療法としての利用は危険。
また、その毒成分のひとつであるガランタミンは
アルツハイマー病の治療薬として利用されている。
ちなみに、「曼珠沙華」とは、法華経などの仏典に由来。
(参考:Wikipedia
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フジバカマ(学名:_eupatorium japonicum)
キク科ヒヨドリバナ属
秋の七草のひとつ。
生草のままでは香りがないが、乾燥すると、茎や葉に含まれるクマリン配糖体が加水分解されて
オルト・クマリン酸が生じ、桜餅の葉のような芳香を放つ。
平安時代、女性は、フジバカマを干した茎や葉を水につけて髪を洗った。
薬用部分は全草。生薬名は蘭草(らんそう)。
花期に地上部の全草を刈り取って日干しにし、香りが出たら陰干しに。
乾燥したら、容器で密閉貯蔵する。
水で煎じて糖尿病、浮腫、月経不順に有効。
また神経痛、皮膚のかゆみには外用として入浴剤に。
観賞用などにも栽培される。
(参考:Wikipedia/季節の花300/『原色薬草図鑑』北隆館P140
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It's everything I know.
It's everything I feel.
It's everything and everyone around me that I see.
——Neneh Cherry "Everything"


明日は研修。
力いっぱい足で頭を押さえつけられたような感覚が、なんとも胸くそ悪し。
ささくれをひとつずつ丁寧になでつけるしかないでしょう。
笑い話にできるくらい落ち着いたら、モレなくネタにさせていただきます。

2014年9月15日月曜日

20140915:オクラの花。

先生がよく薬草マイスター講座で笑い話としておっしゃるのが
「今の学生は、オクラがどうできるのかも知らない。
こないだは、『イモって土の中にできるんですか!』って」
これを聞いて、人生の先輩方は、「うそー!」と言って大笑いするのです。
さすがにイモのでき方は知っていたけれど、
私もオクラがこんなふうにできるとは知りませんでした。
世間知らずの三十路女子でございます。
というか、小学生のときにオクラがなっているのを見たことがあるはずなのに、
すっかりイメージから末梢されていて、
薬草園を散策するたびに、どことなく感激してしまうのです。
頭の中で勝手につくられていたイメージでは、
もっとしなやかに伸びた茎にぶら下がっているオクラでした。
まさか、こんなに直接的に天を指すなんて、という感じ。

さて、そんな調子なので、オクラの花がまさかこんなだとは知らなかったのです。
これも、先日のワタ同様に、アオイ科。
もっと細やかな小さい白い花がいくつも咲いているイメージが
私の頭の中では勝手に仕上がっていたので、
同じ植物体から出ているとは、全く思っていなかったのでした。
いや、驚きがあまりに大きくて、かなりコーフンしてしまったのです。
ワタと同じくハイビスカスのような姿。
まさか、こんなにも華やかな花がでてきているとは。
見かけによらないとは、このことです。


甥はまだコトバを覚えたばかりのころから今に至るまで、
「オホシサマのヤサイでしょ」と言って喜んでくれます。
(いつまで言ってくれるものなのでしょうか)
大きくて新鮮なオクラは、食卓で静かなスターなのです。
これもまた、夏休みの間に何度かいただいておりました。
今年の夏は、市場での野菜の高騰をヨソに、
全く野菜に困らない夏なのでございました。

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オクラ(学名:Abelmoschus esculentus)
アオイ科トロロアオイ属
原産地はアフリカ北東部。エジプトでは紀元前元年ごろにはすでに栽培されていた。
日本には、アメリカから明治初期に入ってきた、ということと、
「ネリ」と呼ばれていたトロロアオイの近縁種であることから、和名はアメリカネリ。
オクラの粘り気の正体は、ペクチン、アラピン、ガラクタンという食物繊維で、
コレステロールを減らす効果をもっている。
他に、ビタミン、ミネラル、カルシウム、カリウムなどが含まれるため、
夏バテ防止、便秘・下痢に効く整腸作用なども期待できる。
(参考:Wikipedia
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2014年9月14日日曜日

20140914:アキアカネよりはじめて。


このアキアカネ、平地で孵化して、夏の間は涼しい山地で過ごすのです。
だから、けっこう移動距離が長い。
これに対して、夏の間も平地から移動しないのはナツアカネ。
アキアカネが平地に戻る季節です。
秋です。

9月も半ばを過ぎるといきなり涼しい風が吹き抜けるようになりました。
今年は台風ばかり、雨ばかりの夏だったから暑くなかったとも聞くけど、
私からすれば、それでも十分に暑い夏でした。
今年の夏は運転免許を取るのに時間を費やしてしまった。
この木曜日に免許をゲットしましたが、
さっそく、母のクルマを乗り回してルンルン気分でございます。
私の移動距離も、これで随分拡大されることでしょう。

「彼らはどうしても思ったところへ行きつけなくて、
いつもどこかをあこがれてるんだって…」
トゥーヴェ・ヤンソンの童話の主人公、ムーミントロールの言葉。
物語に出てくる、奇妙な電気生物ニョロニョロについて語っている。
移動する者が目指すのは実在の場所であったり、
あるいは「ここではないどこか」という場所。
生まれるときに宙から突然降ってきたわけでもないのに、
人が「星になる」「空に還る」と表現するのはなぜだろう。
生きているうちには決して訪れることのない故郷なら、
変わることなく僕らを待っていてくれる気がするからだろうか。
※『A』2001.vol.13(文:Shinichi Uchida)

アリと対峙するテントウムシ。
このテントウムシはやけに落ち着きがなく、
エビスグサの種(写真の、テントウムシがいるところ)を
のぼったりおりたり、のぼったりおりたり。
立ち止まることなく動き続けた先で活動していたアリを見て、
ようやく歩みを止めたのでした。

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I've got the place
I've got the time
I've got words that rhyme
I've got wordy to hear my song
I am ... to myself
--Chinese Man "I've Got That Tune"

20140914:茜色

今日は月に一度の薬草マイスター講座の日。
先生が市民講座として開いている講座で、
「マイスター」とは名ばかりの、でも、なかなかに楽しい会なのです。
先月は私用で参加できなかったので、午後に補習がてら、茜で染色をしたのでした。

アカネ。
どうやら根っこらしい。

アカネを煮出したもの。
65℃程度に保ちながら、ここにドボンと染めたいものをダイブさせるのです。
ダイブさせる前に、水で洗うこと。
洗わないと、布が水分をギューッと吸い込んでしまいます。
それに、汗やヨゴレがついていると、へんな風に染まる恐れも。
均一に染めたい場合は、牛乳や豆乳で洗って入れればいいんだとか。
模様をつけたいときは、ビニールや輪ゴムでくくったり手で固く絞ってみてもOK。
私はボーダーっぽくなるのを狙ってビニールでいくつもくくってみたのでした。


ダイブさせて10分程度まで、様子を見ながら好みの濃度になるまでつけておきます。
10分以上つけていてもそれ以上濃くなったりしません。
どうしても濃くしたい場合は、10分つけて、
ミョウバンを溶かした液で色を固定させて(4分程度)、
水で洗ってミョウバンを落として、また染め液につけるのです。
私はこの作業を3回ほど行いました。

こんな感じ。
ビニールで縛るときに、あまりに固く締めすぎて、
内側まで染料が入らなかったらしい。
でも、このムラの感じは悪くないかも。

他の、人生の先輩方は、さすがに慣れた手つきでした。
終わってから、アカネを写真に撮るのを忘れていたことに気付きました。

この夏休みの間も、ブログはあんまし更新していなかったものの、
写真だけはたくさん撮っております。
ボツラボツラと間を埋めていく所存でございます。
夏休みはあと2週間…のはずなのですが、
授業でつくった作品が学内で優勝してしまいまして、
そのプレゼンをしなければいけなくなってしまったり、
(喜ぶべきことなのでしょうが、フクザツな心境でございます)
あと、研修があったりして、もう明日で夏休み気分は終了。
あー、もっとダラダラしたい。

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アカネ(学名:Rubia argyi)
アカネ科アカネ属
名は「赤根」の意味。根を煮出した汁にはアリザリンが含まれている。
染料用途の他、秋に掘り起こした根を天日で乾燥させたものは
茜草根(せいそうこん)と呼ばれる生薬。
(参考:Wikipedia
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2014年9月3日水曜日

20140903:キュウリの模様。

「○」がいくつも重なった幾何学模様。
3日ほど前に「小さなキュウリできかけてんな」と確認していたものが、
随分大きくなって、しかも模様がついてました。
これ、かなりシュール。
こんなふうに模様が入ってしまうと全然おいしそうではありません。
でも、見ようによってはとてもアーティスティックにも思えてしまいます。

どこから突っついても、真面目。
どこを切っても隙がない。
なのに、じーっと見つめるほどに、
描かれた事物がぽっかりと空洞となって視線を吸い込んでいく。
困ってしまう。果てに笑ってしまうこともある。
「変だ、奇妙だ」と隣で、O JUN*も同じコトをつぶやいている。
困った…でも、平面の楽しみは、こんなトコにあるのかも。
--『Meets Regional』(2002年3月号「monthly top-picks」文:山下里加)
  「“こまっちゃう”が魅力的に変換されるO JUNの平らな世界。」
  (西村注)*O JUN…ここで紹介されている画家のこと。自分の作品について、作品を自分で眺めても「あれはなんだ?」と思える作品を目指している。

この夏は、キュウリに困ることがありませんでした。
薬草園に行けば、先生が、
「草引きの手伝い賃。笑」と言って、毎日キュウリをくれるからです。
一度、甥を連れていったときにも、
キュウリとソウメンウリをいただきました。
旬のころなら、小さなキュウリがあるなー、と見た翌日には
もう立派なものに育っています。
でもこの写真のキュウリは、もっとずっと時間をかけて大きくなりました。


これはなんだったか…。
ゴボウの一種だったなぁという気がするのですが、
(花も似てるし。でも、葉っぱはかなり違う)
調べてみてもちょっとわかりませんでした。
また先生をつかまえて聞かなければいけません。

これは、葉っぱの色が夏中ずっとこの色だということが
いつも気になっていたものでしたが、
今日まで花に気付きませんでした。
このトゲトゲの、何やら赤いくちばしみたいなのが花でしょう。
なんというか、とても前衛的ですね。

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キュウリ(学名:Cucumis sativus L.)
ウリ科キュウリ属
今では意外なことだが、江戸時代には主に完熟させた黄色いキュウリを食べていた。
完熟した後のキュウリは苦味が強く、このころ、
徳川光圀「毒多くして能無し。植えるべからず。食べるべからず」
貝原益軒「これ瓜類の下品なり。味良からず、かつ小毒あり」とすら書かれている。
幕末に、現在の江東区で品種改良が行われ、現在のキュウリが栽培されるようになった。
キュウリは全体の90%以上が水分。
ビタミンC、カロチン、カリウムなどの栄養素が含まれるが、含有率は非常に低い。
(参考:Wikipedia
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