2014年8月11日月曜日

20140811:ワタ



この暑い最中に、アリたちはせっせと旬の蜜を仕入れるのに必死です。
雑誌のインタビューなどをみていると、
よくバカな記者がバカな質問をしている。
「猪木さんにとってプロレスとは一言で言って何ですか?」
「デーモンさんにとってヘヴィメタとは一言で言って何でしょう」
この手の質問というのはインタビュアーが頭が悪いか、
相手のことをよく調べていないために出てくるのである。
これをやると質問側は一見かしこそうな問いを投げかけたように見えるが、
受け手のほうは困る。
アホな答えをすればアホがばれてしまうし、
本気で考えれば一言でなんか答えられるわけがない。
そういうことを言われた場合、
僕は、
「……愛です」
と答えることにしている。
答えるときに背すじにおぞぞが走り、
体温が三度ほど下がるが、
慣れればどうということはない。
「中島さんにとって、コピーとは」
「……愛です」
「中島さんにとって笑いとは一言で言って」
「……愛です」
「中島さんにとってコモドオオトカゲとは一言で言って」
「……愛です」
というふうに実にはまりのよい使い勝手のよい言葉が「愛」である。
だからビジネスマン諸氏も、
「あなたにとってビジネスとは」
とたずねられたら一言、
「愛です」
と答えるとよい。
——後略
  『ビジネス・ナンセンス事典』中島らも著
全く関係がないのに、せっせと働くアリたちを見ていると、
「愛」について書いた中島らものエッセーが浮かぶのでした。

これは、自分が斜め下から撮ったもの。どうでしょう。
アオイの類の花は、見方を変えればハイビスカスのように華やか。
でもどことなく地味で目立たず、少しうつむき加減でいるくらいで好ましい。
これはアオイ科の中でも、ワタ。
ワタの花がこんなに美しいとは知りませんでした。


さて、奇妙なのはこちら。
ハスは、先日までの私の過剰な感激をヨソに、
次々と花を開いているのでした。
これなんて、もうすっかり花びらもボロボロ。
その真ん中で、つい「テクマクマヤコン…」と呟きたくなるアイツがデン。
宇宙との交信にも使えそうです。
感動が去ってしまえば、心の中の扱いも、こんなふうになるのですね。

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ワタ(学名:Gossypium)
アオイ科ワタ属
一口に「ワタ」と言っても、ここから先に下位分類がずらりと連なる。
はじめは、アルボレウム(Gossypium arboreum)かと思いました。
俗に和名で「ワタ」というとアルボレウムを指すからです。
でも、花や葉を見るとやはり混乱。どれもとても似ているのです。
もしかしたらナンキンワタ、ヘルバケウム(Gossypium herbaceum)かもしれないし、
一体どれを指すのかわかりません。
花の命は短く、たったの一日。それでも、暑い時期には次々と花を咲かせるのです。
花の後、紡錘形にふくらんだ果実ができ、それが秋にはじけて中からもりっと綿が出てきます。
ナンキンワタなら、薬用部分は種子の毛(綿花)、綿実、根皮(綿根皮)。
原綿はほとんどセルロース。綿実は脂肪油、ゴシポールを含み、
これからしぼった油が綿実油となる。
綿実は催乳薬となり、新鮮な綿根皮ともども通経、陣痛促進剤になる。
(参考:ヤサシイエンゲイ/『原色薬草図鑑』北隆館P209
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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになったとのこと。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われています。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出します。
茎には通気のための穴が通っていて、子どもの遊びでもよく使われていたとか。
葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができます。
花は夏の朝に、水面まで花茎を立てて開花。
朝早く開いて、午後3時ごろには閉じる、という行為を3回繰り返し、4日目に散るのです。
泥の中にある根の部分が膨らんでレンコンに。
その他、花、葉、茎、種子も食用になります。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含みます。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にも。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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ぼくの心をあなたは奪い去った
俺は空洞 でかい空洞
全て残らずあなたは奪い去った
俺は空洞 面白い
バカな子どもが ふざけて駆け抜ける
俺は空洞 でかい空洞
いいよ くぐりぬけてみな穴の中
さあどうぞ 空洞
——ゆらゆら帝国“空洞です”

2014年8月8日金曜日

20140808:鎮座するカボス。


一難去ってまた一難、か。
台風の季節に台風が来なければ、
それはそれで、ちゃんと夏を過ごさなかったようなもの足りなさを感じるけれど、
台風ばかりの夏は、それはそれで、トゥーマッチ、というか。
風のすき間を縫って、カボスに水滴がついているのを撮影。
気分としては、もっと生々しい様子で撮りたいのだけど、
そういうふうに撮れる人と私とでは、何が違うのだろうか。
どうしても私のでは、単なる静止画でしかなく、
台風の中で青く生きるナマの感じが伝わらない。
たぶん、巧い人が撮ったなら、この同じ画角だったとしても、
もっとセクシャルに、もっと生きた空気を切り取るんだろう。
実際にサント=ヴィクトワール山を目にして驚いたのは
方角や距離、さらには光線の変化によって
まったく別の表情を見せることだった
山はまるで描かれるのを拒んでいるように感じられた
その後、あらためてセザンヌの絵を見てみると
まずそのサイズに驚き、質感、色、グラデーションといった
画面を構成しているあらゆる要素の
的確さに心を奪われた
そして自分が記憶していたものが
いかに曖昧で僅かなことだったかを思い知らされた
それは「写真を見て知っている」という
認識の危うさがもたらすものだ
私は写真を撮りますが、見えてることだけを
信用していません。見ようとしたことが
そこに現れていなければならないと思っている
鈴木理策
 
じっと、見ている
目玉だけになって、見ている
見ている対象は、ほんとうに
存在しているのか
見ている自分は、
存在しているのか
——「まなざしの彼方」
  『翼の王国』2001年11月
雑誌の編集部で働いていたのは、もう7〜8年も前のことになってしまった。
気付けば月日は流れていて、心境の変化の具合にすら気付くことなく、
いつの間にか、編集部に入る前の表現のスタイルに戻っていた。
伝えたいことは、いつでも自分の身丈より大きく、
いつでも自分の口や手から溢れ出る言葉が十分に繋ぎ合わせられない。
結論を出すには早すぎて、ニオイを醸すことすらおぼつかない。
カボスはカボスで、デン、と鎮座して私を見ている。
雨と風の中で、微動だにせず、堂々と、見ている。
私はその様子を、またもやうまく切り取れない。

カボスも成っていました。

ハッカの花も咲いていました。
昨日は気付かなかったのに。

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カボス(学名:Citrus sphaerocarpa)
ミカン科ミカン属
ユズの近縁種。枝には鋭い棘がある。雌雄同株の常緑小高木。
果実は緑色のうちに収穫するが、熟すと黄色くなる。
主産地は大分。江戸時代に医者が京都から苗木を持ち帰ったのが栽培の始まりとも。
300年前から栽培されていたとされ、大分県臼杵市には推定200年以上の古木が散財する。
カボスの果汁は、酸味に富むとともに独特の香りを有しており、
刺身や焼き魚などの薬味として、あるいは鍋料理のポン酢や酢の物等の調理に用いられる他、
大分県では、みそ汁、麺類、焼酎などにも風味付けとして加えることも。
ブリなどの魚類の飼料にカボスを加えると、カボスに含まれるポリフェノールの効果で、
切り身の変色や臭みを長時間抑えることができる。
(参考:Wikipedia
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スダチ(学名:Citrus sudachi)
ミカン科ミカン属
ユズの近縁種。枝には鋭い棘がある。果実は緑色のうちに収穫するが、熟すと黄色くなる。
主産地は徳島。日本における収穫量の98%が徳島県で生産されている。
カボスの果汁は、酸味に富むとともに独特の香りを有しており、
刺身や焼き魚などの薬味として、あるいは鍋料理のポン酢や酢の物等の調理に用いられる他、
果汁以外でも、青い果実の外皮部分を薄く切ったり、薬味おろしでおろすなど、薬味として使われる。
薬効として、カボスとの違いは、エリオシトリンやネオエイオシトリンが豊富に含まれること。
エリオシトリンは、脂質過酸化に対する抗酸化作用が発表されており、
ネオエイオシトリンと共にアレルギーや動脈硬化に関与する
リポキシゲナーゼの形成を阻害するとされる。
また、徳島大学の研究チームが血糖値の上昇を抑える効果があると発表したり、
カルシウム九州の促進効果が研究されていたり、まだまだ研究されている。
(参考:Wikipedia
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ニホンハッカ(学名:Mentha canadensis var. piperascens)
シソ科ハッカ属
日本では、換金作物として、安政年間に岡山や広島で栽培が始まった。
水蒸気蒸留によって薄荷油を抽出し、さらにこれを冷却して再結晶させ、
ハッカ脳と呼ばれる複合結晶(主成分はI-メントール)を得る原料に用いられる。
これらは食品用、生活用品、タバコなどの香料として、
また医薬品用としても用いられている。
清涼感がするのは爽快な香りや、多く含まれているメントールの性質によるもの。
(体中にある冷たさを感じる受容体を刺激したり、常温で昇華するため気化熱を奪う)
(参考:Wikipedia
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fallen' love I've been around in your world
and I've seen many things
it was so different from my desire
and time seems flow slower and slower
my best love when I'm talking to you
it would be easy to get a way
my best love when I'm talking to you
it would be easy to get a light
——mabanua "talkin' to you"

2014年8月7日木曜日

20140807:ハッカとメハジキ。



最近、へんな夢を見ます。
絶対にありえないのに、妙に現実的。
子どものときに見た怖い夢ではないのに、
起きた瞬間「あ、夢か、よかった」とホッとするのです。
「怖いもの」は、子どものときと今とでは違うのですね。
舞台となるのは竜巻によって破壊されたアメリカ中部の街。
その被害からもう何年もたつのに、街の復興の兆しさえない。
まるで世界のすべてから見捨てられた場所であるかのように、
ゴミと汚物とがらくたばかりがそこには転がっている。
そこで暮らす人々もまた、ゴミや汚物のようにも見える。
人々はそんな自分たちの姿を顧みる、外側からの視線を持たない。
その意味で、竜巻の被害者でもない。
ただ単に、世界の残滓としての人生を消費していくばかりである。
したがってもはやそこから物語は生まれない。
それらは物語の残りかすだからだ。
だからそこは、ファンタジーの世界とはまったく反対の場所なのだが、
しかし、そのような場所にある種の「無垢」を投入したとき、
一転してそこが物語の壌土となることを我々はよく知っている。
——「Dissolution of the Real 現実崩壊型ファンタジー」(文:樋口泰人)
  『STUDIO VOICE』2002年5月号
足元に雑踏、同じ目線に立ってみると、まるで高いビルディング群。
今日はハッカの足元にある雑草に取りかかってみたのですが、
引いても引いても、ハッカの表情は全く変わることがなかったので、
50センチ四方ほどだけ引いてすぐにやめてしまいました。
他の草花ならば、引くとようやく見えてくるその仲間たちの顔が見えて、
なんとなく救ってあげたような、いいことしたような気分になるのですが、
ハッカは、凛としたモデルたちのように、表情を微動させずにいるのでした。
近くにいると漂うメントールの香り。
モヒートやアブサンをなめたいような気分にさせました。
本当は、足元は、いろんな対立関係があって、整理してほしいのかもしれません。


昨日のアレ、は、メハジキでした。
今日は寝覚めが悪かったのと、草を引きながら眠たくなってしまったのとで、
中途半端なまんま、いろんなところを置き去りにしてしまいました。
ま、そんなこともあるさ。

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ニホンハッカ(学名:Mentha canadensis var. piperascens)
シソ科ハッカ属
日本では、換金作物として、安政年間に岡山や広島で栽培が始まった。
水蒸気蒸留によって薄荷油を抽出し、さらにこれを冷却して再結晶させ、
ハッカ脳と呼ばれる複合結晶(主成分はI-メントール)を得る原料に用いられる。
これらは食品用、生活用品、タバコなどの香料として、
また医薬品用としても用いられている。
清涼感がするのは爽快な香りや、多く含まれているメントールの性質によるもの。
(体中にある冷たさを感じる受容体を刺激したり、常温で昇華するため気化熱を奪う)
(参考:Wikipedia
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メハジキ(学名:Leonurus sibiricus)
シソ科メハジキ属
昔、子どもがこの茎をまぶたに貼って目を開かせて遊んだことから「目弾き]」。
(茎にはトゲがあるので危険!)
全草を乾燥させたものが生薬「益母草(やくもそう)」。
産後の止血、月経不順、めまい、腹痛に。
また、利尿作用があり、急・慢性腎炎水腫に、単独か、いくつかの他の生薬を配合して使う。
血圧降下作用があることもわかっており、高血圧症などにも広く応用されている。
主成分はアルカロイド、イリドイド、ジテルペン、フラボノイド、カフェイン酸、タンニン。
ちなみに、「益母草」は、母の益になる薬草という意味。
中国では古くから婦人役として利用されてきた。
(参考:イー草ドット・コム
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It may be crowded out here but I don't hear no sound but my own
It may be pouring out here but every falling drop of sky is my own
There ain't a thing in the world that'll shoot my dorphins no I'm high on my throne
Them parpies and turds won't have their way with me stoned on ozone
——Deluxe "TO DOOP"

2014年8月6日水曜日

20140806:エビスグサより始めて。


甥を呉の港まで電車で送った後、
(この後、甥はひとりでスーパージェットで松山まで行きました)
上級生たちの成績発表をのぞいて、薬草園へ。
午前中は呉線も不安定になる天気でしたが、
私が薬草園に行くころには、すっかり晴れていました。
なんだか私のためにこんなに雨だったんじゃないかというくらい、
草引きにはベストなコンディション。
耳には聞き慣れた音楽と、右手には蚊取り線香。

雨の後の晴天は、コンディションにうるさいエビスグサにもうれしかったよう。
ここ数週間くらい、太陽に正面きって向かっている姿なんて
みたことがありませんでしたが、
今日はピンと背筋(葉脈)を伸ばして張り切っているようです。

おとついですら、こんなにスネていました。


さて、気になっていた順に草を引いていて、発見したのがトマト!
あんまりにも鬱蒼としすぎていて、全然気付いていませんでした。
こんなにキレイなトマト!
人類はもう月にまで行ってしまった
この星もにぎやかさを増していた
一日で人生が変わってしまうような出来事が
世界中の街の
どこにでもくりひろげられていた
ベトナムでは戦争もつづいていた
エコロジーの叫びも第一声を発していた
ロンドンにはまた
新たな、グラムともロンドン・ポップとも呼ばれた
音楽とファッションの革命が生まれていた
彼女は気がつくと
その核心に飛びこんで旅をしていた
——「青春のタラップを駆け上れ!」(文:森永博志)
  『翼の王国(2003年8月号)』
雑草とトウモロコシ(この向こう側にある)に隠れて、
助手さんの立てた造花の“立て札”すら、見えていませんでした。
本日、やっと、お目見え。
いくつかはもう腐って落ちちゃいましたが、
ほとんどは今から食べごろです!


さて、この方の名前を、またもやすっかり忘れてしまいました。
明日また、データは整理いたしましょう。

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you'd better bring yourself
——THEESatisfaction "QueenS"

2014年8月5日火曜日

20140805:キバナオウギ


このキバナオウギ、というのには、全く馴染みがないのでございます。
小さく、うつむきに咲いた花たちを見ていても、
キイロなのが葉や茎の緑に馴染んで、全く目立たない。
しかも、資料を検索してみても、日本が原産ではなく、
どうやら辛うじて北海道になら自生している、くらいのレベルで、
その他は薬用植物園で例示されている程度のよう。
つまり、あんまりこれにまつわる話が見えてこないのです。
これはどう書いたらええもんかな、というのが正直なところ。
ただ、近づいてじっと見てみると、
その控え目な様子に上品さを感じなくはないのです。
おそらく、根に近いほうの対から花が開くのでしょう。
下の対は、紫で、そのひとつ上がピンク、
そのもうひとつ上がキイロ、といった塩梅。
さらにその上は、まだツボミなのですから。
パステルカラーが涼しげです。

アサガオは、今日の雨でまたうれしそうに咲いていました。

そういえば、今の今まですっかり忘れていましたが、
こないだの土曜日の夜、友だちに誘われて呉のおでん屋での
投げ銭ライブに行ってきたのでした。
その道中、電車の中、街の中、ひどい雨で、
傘を忘れた私はすっかりずぶ濡れになりながら
コンビニに入っては、売り切れた傘を恨めしく眺めるばかりでした。
周りは浴衣だらけ。この日は、花火大会だったのです。
雨に降られて視界は雨粒だらけ。
ドーン、ドーン、という音だけが聞こえるばかりで、私には花火が見えません。
ただ、目の前でいきなり立ち止まった女の子の浴衣が、
このアサガオのような色合いだったことだけを覚えているのです。

昨日写真におさめた花はすっかりしぼんでいました。
で、また、新しいツボミが。

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キバナオウギ(学名:Astragalus membranaceus Bunge)
マメ科ゲンゲ属
中国西北部原産。日本では、各地の薬用植物園などで標本や見本用に栽培する。
茎は直立、草丈は1mくらい。葉は奇数羽根状複葉で、小葉は楕円状を呈している。
花が地味なためか観賞用として栽培することもなく、また根を漢方処方に配剤する以外、
民間薬として利用することもないため、一般的には馴染みが薄い。
薬用部分は根で、生薬名は黄耆(おうぎ)という。
有効成分はフラボノイド、サポニン、γ-アミノ酪酸(GABA)など。
止汗、強壮、利尿作用、血圧降下等の作用があり、
防已黄耆湯、桂枝加黄耆湯、黄耆建中湯などの漢方方剤に含まれる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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アサガオ(学名:Ipomoea nil)
ヒルガオ科サツマイモ属
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使が種子を薬として持ち帰ったことからとされる。
アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、
生薬名は「牽牛子(けんごし)」と呼ばれる。
中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼としたことがこの名前の由来。
粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。
ただし、ファルビチンやコンボルブリンも含み、
嘔吐や下痢、腹痛、血圧低下を引き起こすなど毒性も強く、素人判断によらないほうがいい。
江戸時代には2度、アサガオブームがあった。
そのときに、形態が多種多様に変化したもの。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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2014年8月4日月曜日

20140804:花のアト。


ハスの花は、朝に開いて、午後3時ごろまでには閉じてしまう。
花の開閉は3回繰り返し、4日目に花びらが散るんだそうです。
おとつい「咲いた!」と思った花が、今日はもう散ってしまっていました。
私が蕾だと思っていたのはきっと、眠りに入った花びらで、
こないだ見たものはもう、4日目の花だったのかもしれません。
花火師たちは冬の間、夏のために花火を作り続ける。
大きな玉になると、製作に1年を要する。
その玉が空を彩るのはほんの一瞬。
一瞬だからこそ、人々は感動する。
一瞬のきらめき、そこに凝縮されたものを、
なんとかフィルムに写し出そうと、日々、格闘するわたし。
花火師の情熱も、観客の歓声も、花火の艶やかさも、儚さも、
そして花火が消えたあとのもの哀しさも、
夏の夜の思い出とともに1枚の写真に写し込めたい。
——『わたしは花火』(『翼の王国』1998年8月号/
文+写真:冴木一馬)
花が散った後には、蜂の巣みたいにたくさん穴が空いた花托。
あんなにもすばらしい佇まいだったのが、
なんてユニークなお姿に変身したことでしょう。


雨の間、一斉に、うれしそうに咲いていたアサガオのようなものは、
すっかりしぼんでしまっていました。
「うれしそうやな」とか「今日は機嫌悪いんかな」とか、
一度でもそういうふうに人格を持たせて見ると、愛着が沸いてしまう。
「よく見たら、お猪口みたい、ちゃうん!」なーんて思ったりして。
なんとかして、このしぼんだ姿に何か意味を見出そうと
必死になっているのがバレバレですね。
最初に私が買ったのは、紅志野の香炉であった。
鮮やかな茜色の素地に、表には薄、裏には水草が白く浮き出ていた。
忘れもしない六万円で、私は月賦で支払ったが、
現在は少なくとも千倍にはなっているはずである。
例によってそれも売ってしまったが、
もし私にお金があったとしても二度と買う気にはなれないであろう。
それはたしかにふたつとない名品だが、
だれが見てもひと目で名品とわかるところが気に入らない。
一点非の打ち所のない美人みたいなもので、
そういうものには陰翳がなく、秘密もない。
——『視覚より触感を』(『彩』資生堂1986年/文:白洲正子)
実は、何度かこの花びらがしぼんでいる姿を拝んだことがあって、
このアサガオたちも、何度か開いたり閉じたりしているのかな、と感じるのです。
花を咲かすのにもけっこうなエネルギーを使っているだろうことを想像すると、
やっぱり健気やなぁ、なんて、また、キュンとしたりして。
ま、でも、それが本当だとすると、このアサガオは、
私の知っているアサガオではないのですね。

何かニュースはないもんかと
ファインダーをのぞき、シャッターを切り、
ぐるり、薬草園を一巡してハスに近づくと、
足元に花びらがいっぱい落ちていることに気付きました。
生きるためにはもう用のなくなった花。
それでも、水彩画のような花びらの濃淡が美しくて。

さて、明日は何を見ようかな。

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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花となっている。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになった。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われる。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。
茎には通気のための穴が通っている。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含む。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にもなる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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アサガオ(学名:Ipomoea nil)
ヒルガオ科サツマイモ属
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使が種子を薬として持ち帰ったことからとされる。
アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、
生薬名は「牽牛子(けんごし)」と呼ばれる。
中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼としたことがこの名前の由来。
粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。
ただし、ファルビチンやコンボルブリンも含み、
嘔吐や下痢、腹痛、血圧低下を引き起こすなど毒性も強く、素人判断によらないほうがいい。
江戸時代には2度、アサガオブームがあった。
そのときに、形態が多種多様に変化したもの。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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ひとりでそうかとうなずくんだ
——Fishmans "Magic Love"

2014年8月2日土曜日

20140802:咲いた。


本当は、もっとちゃんと開いたのもあったけど、こっちのほうがキレイなので。
雨は、私の足を、腕を、肩を、ズブズブに濡らしてしまいます。
台風だから、傘なんて本当に意味がなくて、
全方向から私に向かって雨が降ってきます。
私にとってはイヤな雨。
でも、薬草園で、この数日の暑さを耐え忍んだ者には、
間違いなく恵みの雨だったのでした。

蓮の葉の上で水滴が踊り、真ん中に集まってきます。
蓮は、茎が空洞なので、葉枝の部分に穴を開けると、
茎から水滴を吸うようにして遊べます。

いつもションボリとうつむいていたアサガオも、
今日はうれしそうに咲き乱れていました。
それにしても、このアサガオはフツウのアサガオなのでしょうか。
先生に聞いても、「あれな、植えた覚えはない」と。
でも、健気で柄もシャープで、こんなにも正直。
「けっこうあれが、水が足りてるか、の目安になる」そうで。
アサガオは、生物でも遺伝のところで登場しますが、
江戸時代ごろから変異系統が続々と作られてきました。
今も、おもしろいアサガオがどんどんできているようです。
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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花となっている。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになった。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われる。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。
茎には通気のための穴が通っている。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含む。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にもなる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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アサガオ(学名:Ipomoea nil)
ヒルガオ科サツマイモ属
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使が種子を薬として持ち帰ったことからとされる。
アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、
生薬名は「牽牛子(けんごし)」と呼ばれる。
中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼としたことがこの名前の由来。
粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。
ただし、ファルビチンやコンボルブリンも含み、
嘔吐や下痢、腹痛、血圧低下を引き起こすなど毒性も強く、素人判断によらないほうがいい。
江戸時代には2度、アサガオブームがあった。
そのときに、形態が多種多様に変化したもの。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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