2015年3月4日水曜日

20150304:シャクヤクとボタン。


植物に免疫の少ない私にとって、
赤い芽が土から顔を出している光景は、ちょっと奇妙で心が惹かれるところ。
シャクヤクの芽は、見るごとに、ちょっとずつ、ちょっとずつ成長を重ねています。
この秋に掘り上げて天日干しされている根っこを見ていたので、
感慨深くもあります。そういえば、昨年のシャクヤクの時期には
中国新聞で薬草園が紹介されていました。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」とは、
古くからの美人のたとえで、さらに、いずれも婦人病の薬草でもあります。

同じボタン科で花も酷似したボタンのほうは、木。
こちらも花芽がいよいよ、といった感じ。

シャクヤクもボタンも、薬用部分は根っこ。
だから、薬用にするには、根っこをより大きくするように育てます。
鑑賞用ではシャクヤクの根っこにボタンを接木することが多く、
ふつう、ボタンの根っこは横に広がっていくのですが、
こうすると、鉢でも十分育つサイズで根っこがおさまるらしい。
薬用にするには、株分けで。
植えてすぐに支柱を立てるのがポイントのよう。
薬草園ではどうしてたっけな。
ボタンのエリアに、先生がわざわざシャクヤクの残骸を残した木もあります。

薬用として根っこを使う植物は、花を咲かせないように育てるのが常。
これは、花を咲かせることでエネルギーを消費させないため。
でもやっぱり、キレイな花が見られないと、色気を感じませんよね。

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シャクヤク(学名:Paeonia lactiflora Pallas)
ボタン科ボタン属
薬用部分は根っこ。生薬名は芍薬。根の外皮を除いたものを白芍、皮付きは赤芍。
漢方では鎮痛、婦人病薬、冷え性用漢方に配合され、代表的なものに芍薬甘草湯、四物湯がある。
芍薬甘草湯は、芍薬と甘草を等量配合したもので、
急激に起こる筋肉のけいれんによる痛みに使うことが多く、
胃痙攣、神経痛、胆石などの疝痛発作にも使う。小児の夜鳴きにも。
四物湯は芍薬、当帰、川芎、地黄を配合し、
皮膚が乾燥して色つやが悪く、胃腸障害のない人の月経不順や冷え性などに。
有効成分は、モノテルペン配糖体ペオニフロリン、安息香酸、タンニンなど。
ペオニフロリンは鎮痛、鎮痙、消炎、抗ストレスに有効だが、
有毒成分でもあり、中毒症状に嘔吐や胃腸障害もみられる。
(参考:『広島県の薬草』神田博史著・中国新聞社/イー薬草ドットコム
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ボタン(学名:Paeonia suffruticosa)
ボタン科ボタン属
薬用部分は根っこの皮。生薬名で牡丹皮。根を乾燥させ、中心にある木部を除く。
シャクヤクと同じく婦人病薬に用いる生薬だが、その違いの目安は、
シャクヤクは、冷え性、月経不順、産後の疲労回復に用いるのに対し、
ボタンは月経困難、便秘、更年期障害やしもやけに使う。
漢方では、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、温経湯に用いる。
ペオノール、ペオニフロリンを含む。
ペオノールは鎮痛、鎮痙、抗菌、抗炎症作用に効果がみられる。
(参考:『広島県の薬草』神田博史著・中国新聞社/イー薬草ドットコム
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Al Green "Let's Stay Together"

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