2014年6月18日水曜日

20140618:枯れ木と新しい芽吹き。


















「角が生えとるみたいじゃろ。それで『頭の治療にええ』て使い始めたらしい」
と先生が教えてくれたのは、カギカズラ。
確かに、茎にたくさんのカギ。
なぜか、1つ角と2つ角とが交互になっている。
こんなの、何かの道具にあったよなー、みたいなカタチ。
鎮痙剤や鎮痛剤の他、認知症にも薬効があるとされているとのこと。
生薬名は「釣藤駒(チョウコウトウ)」。
昔の人は発想が豊かやなーと驚きました。

薬草園のは残念ながら枯木になってしまっていますが、それでも“カギ”は健在。
調べてみると、この“カギ”、本来は枝だったと考えられているそうです。
↓この写真は、中国新聞の文化センターで行われた市民講座報告のサイトから拝借。
「広島の薬用植物と漢方」

















枯木と言えば、昨日の雨の中で気になったのがこれ。

















朱色の鮮やかさが際立って、薬草園で異彩を放っているのです。
これはウコンザクラ。
先生に「この葉の色は正しいのでしょうか」と聞くと、
やっぱりこれは葉が枯れているようでした。
枯れたと言われても、この朱色はちょっと美しい。
しなーっと力が抜けて垂れて、気だるそうなのがかえって艶っぽい。
枝はまだ弾力があり枯れておらず、
だったら、この葉が散ったら新しい芽吹きがあるのかな。

今日は雨上がりにピーナッツやらハブソウの苗を横っちょの畑へと移しました。
畑は学生たちの植えたイモに、トウモロコシにトマトに…と賑やかです。
先生がトマトの枝を切って分けてくれたので、その場で挿し木にしてきました。
栄養学科の人たちの植えたトマトやナスは、もうかなり立派になっています。
賑やかな畑は、それだけでウキウキと未来に満ちている。
なんて、枯れたものを少し意識すると、ちょっと浸ってしまったり。

新しい命と枯れた命。
私はどこか、不完全なものを好む傾向があるみたい。

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カギカズラ
アカネ科カギカズラ属
千葉県や神奈川県、京都や島根など、
分布が北の地域では絶滅危惧種に類するランクが与えられ、
特に京都市では「松尾大社カギカズラ野生地」は市の天然記念物に指定されている。
それ以南の地域では普通種、むしろ実生活では害木扱いされることも。
よく枝を出し、節々に鉤があるので、駆除するのもやっかい。
薬用としては、鉤は「釣藤鉤」と呼ばれる生薬として使われる。
成分としては、リンコフィリン,イソリンコフィリン、
コリノキセイン、ヒルスチン,ヒルステインなどのアルカロイドを含有し、
鎮痙剤や鎮痛剤として用いられる。
釣藤鉤を含む漢方処方である釣藤散を
アルツハイマー認知症型モデルのラットに投与した実験において、
優位な症状の改善が見られたほか、
脳血管障害型の痴呆モデルでも有効性が報告されている。
(参考:Wikipedia
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ウコンザクラ
バラ科サクラ属
サクラの栽培品種。花弁に葉緑体を持ち、淡黄色の花を咲かせる。
ウコンの根を染料に用いた鬱金色と色が似ていることから
「ウコンザクラ」と呼ばれる。

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