2014年8月4日月曜日

20140804:花のアト。


ハスの花は、朝に開いて、午後3時ごろまでには閉じてしまう。
花の開閉は3回繰り返し、4日目に花びらが散るんだそうです。
おとつい「咲いた!」と思った花が、今日はもう散ってしまっていました。
私が蕾だと思っていたのはきっと、眠りに入った花びらで、
こないだ見たものはもう、4日目の花だったのかもしれません。
花火師たちは冬の間、夏のために花火を作り続ける。
大きな玉になると、製作に1年を要する。
その玉が空を彩るのはほんの一瞬。
一瞬だからこそ、人々は感動する。
一瞬のきらめき、そこに凝縮されたものを、
なんとかフィルムに写し出そうと、日々、格闘するわたし。
花火師の情熱も、観客の歓声も、花火の艶やかさも、儚さも、
そして花火が消えたあとのもの哀しさも、
夏の夜の思い出とともに1枚の写真に写し込めたい。
——『わたしは花火』(『翼の王国』1998年8月号/
文+写真:冴木一馬)
花が散った後には、蜂の巣みたいにたくさん穴が空いた花托。
あんなにもすばらしい佇まいだったのが、
なんてユニークなお姿に変身したことでしょう。


雨の間、一斉に、うれしそうに咲いていたアサガオのようなものは、
すっかりしぼんでしまっていました。
「うれしそうやな」とか「今日は機嫌悪いんかな」とか、
一度でもそういうふうに人格を持たせて見ると、愛着が沸いてしまう。
「よく見たら、お猪口みたい、ちゃうん!」なーんて思ったりして。
なんとかして、このしぼんだ姿に何か意味を見出そうと
必死になっているのがバレバレですね。
最初に私が買ったのは、紅志野の香炉であった。
鮮やかな茜色の素地に、表には薄、裏には水草が白く浮き出ていた。
忘れもしない六万円で、私は月賦で支払ったが、
現在は少なくとも千倍にはなっているはずである。
例によってそれも売ってしまったが、
もし私にお金があったとしても二度と買う気にはなれないであろう。
それはたしかにふたつとない名品だが、
だれが見てもひと目で名品とわかるところが気に入らない。
一点非の打ち所のない美人みたいなもので、
そういうものには陰翳がなく、秘密もない。
——『視覚より触感を』(『彩』資生堂1986年/文:白洲正子)
実は、何度かこの花びらがしぼんでいる姿を拝んだことがあって、
このアサガオたちも、何度か開いたり閉じたりしているのかな、と感じるのです。
花を咲かすのにもけっこうなエネルギーを使っているだろうことを想像すると、
やっぱり健気やなぁ、なんて、また、キュンとしたりして。
ま、でも、それが本当だとすると、このアサガオは、
私の知っているアサガオではないのですね。

何かニュースはないもんかと
ファインダーをのぞき、シャッターを切り、
ぐるり、薬草園を一巡してハスに近づくと、
足元に花びらがいっぱい落ちていることに気付きました。
生きるためにはもう用のなくなった花。
それでも、水彩画のような花びらの濃淡が美しくて。

さて、明日は何を見ようかな。

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ハス(学名:Nelumbo nucifera)
ハス科ハス属
アジアの多くの国の国花となっている。
仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池と信じられているため、
寺の境内いハス池をつくって植えるようになった。
多くの仏典に「蓮華」の名で登場し、仏像の台座にもこの形がよく使われる。
原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出す。
茎には通気のための穴が通っている。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができる。
薬用部分は葉、雄しべ、果実、種子。
生薬名はそれぞれ、「荷葉(かよう/葉)」「蓮鬚(れんしゅ/雄しべ)」
「蓮実(れんじつ/果実)」「蓮肉(れんにく/種子)」。種子は多量のでんぷんを含む。
関節痛によいほか、下痢止めや強壮薬にもなる。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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アサガオ(学名:Ipomoea nil)
ヒルガオ科サツマイモ属
日本への到来は、奈良時代末期に遣唐使が種子を薬として持ち帰ったことからとされる。
アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、
生薬名は「牽牛子(けんごし)」と呼ばれる。
中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼としたことがこの名前の由来。
粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。
ただし、ファルビチンやコンボルブリンも含み、
嘔吐や下痢、腹痛、血圧低下を引き起こすなど毒性も強く、素人判断によらないほうがいい。
江戸時代には2度、アサガオブームがあった。
そのときに、形態が多種多様に変化したもの。
(参考:季節の花300Wikipedia/『原色薬草図鑑 I』p.54
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ひとりでそうかとうなずくんだ
——Fishmans "Magic Love"

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